金正恩氏を「完全無視」する「性風俗業」の女性たち (2/2ページ)
当局の取締りを避けるため、女性たちは貿易会社のマッサージ屋で働く美容師やリハビリ補助士として登録されている。
客層は「トンジュ(金主)」と呼ばれる新興富裕層の男女の他に、昔からやりたい放題に慣れている党や企業所の幹部など権力者層も多く訪れる。このことからも、彼らの庇護の下で売春業が行われていることが分かる。
長い経済難が続き女性のための満足な職場も無く、近年では資本主義化が進む中で貧富の格差が拡大したこともあり、北朝鮮で売春は女性の収入源の一つとして、ここ数年とみに活性化してきた。今回のA氏の報告からは、これまで個人を中心に行われていた売春が組織化されている様子が垣間見える。
先述したように、金正恩政権は売春を厳しく取り締まっている。2014年には恵山(ヘサン)市で売春を斡旋した男性2人が公開銃殺されている他に、強制収容所送りなどの厳罰も辞さない構えで臨んでいる。だが、国家が住民の生活を優先視せず、今のように核やミサイル、一部の権力者のぜいたくのために予算を使う限り、売春業が拡大こそすれ沈静化することはまず無いと見てよいだろう。
売春業の盛行は、北朝鮮という国家が抱える問題点を克明にあらわしている。