友成那智 メジャーリーグ侍「007」 今季メジャーで大活躍する「呉昇桓」(元阪神)と「バーネット」(元ヤクルト) (2/2ページ)
フォーシーム(直球)は時速150キロ程度だけど、スピン量が多いので空振り率がものすごく高い」(スポーツ専門局の記者)
契約では来季、球団が希望すれば今年と同じ基本年俸2.5億円(+出来高=最高5.5億円)で契約できることになっているので、来季もカ軍で投げることは確実になっている。故障しない限り、来季終了後には、3年30億円レベルの契約を新たにゲットすることになるだろう。日本復帰の目は当面なさそうだ。
バーネットは日本に来る前、万年マイナーのピッチャーだった。ヤクルトと契約する前年('09年)はダイヤモンドバックスの3Aで先発投手として使われていたが、防御率が5.79。奪三振率も平均よりずっと低く、誰が見てもメジャー昇格の可能性はゼロというピッチャーだった。
しかし、ヤクルトに在籍した6年間でバーネットは制球が見違えるように安定。変化球のレパートリーも日本人投手並みに増やしていった。特に高速スライダー(カッター=カットボール)に磨きをかけ、ストライクゾーンからボールになる軌道にコンスタントに投げられるようになったため、クローザーとして活躍できる投手に成長した。
別人のように成長したバーネットは31歳になっていたが、昨オフ、レンジャーズから2年契約のオファーがあり、念願のメジャー入りを果たす。日本駐在スカウトから強い推薦があったためGMがゴーサインを出したのだ。シーズン開幕直後から勝ちパターンのリリーフ(セットアッパー)やピンチの火消し役として起用され、防御率はレ軍のリリーフ投手で断トツの1位。現在クローザーを務めるダイソンに赤信号が灯った場合、後釜はバーネットという声が高くなっている。
球団関係者やメディアから聞かれるのは、「バーネットは日本人ピッチャーそのものだ」という声だ。
「彼は七つも球種を持つ。主体はフォーシームとカッターだけど、それ以外にもシンカー、カーブ、スライダー、スプリッター(フォーク)、チェンジアップの七つだ。メジャーの投手は三つか四つしか球種がない。これほど多いのは日本人投手とバーネットだけだよ」(スポーツ専門局の記者)
バーネットが最も高く評価されているのは、どのカウントからでもすべての球種でストライクを取れる点だ。これは日本人投手の最大の長所だ。同じレ軍のルイス(元広島)も日本で大化けしたが、日本化したという点ではバーネットの方が上のようだ。
ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2016」(廣済堂出版)が発売中。