最新の発電デバイスで、電力だって体温で自給自足する時代? (2/2ページ)
電力に変換されなかった熱は、TEGを通って外側の層に伝わり、すみやかに拡散される。これらすべてのシステムで、厚さは2mmに収まり、そして柔軟性も持っているという。
「この試作品ではTEGは1平方cmですが、デバイスが必要とする電力に合わせて、もっと大きいものを作ることは簡単にできます」とVashaee准教授はいう。
■ 装着するのは上腕が最適
また、研究チームは、体温を回収するのには上腕部が最適であることも発見した。手首周辺のほうが皮膚の温度は高いのだが、形がイレギュラーなため、TEGのバンドを皮膚にあてる面積がとれない。また、胸は通常シャツで覆われているので風が通らず、熱の拡散が制限されるので、向いていないという。
ただし、研究チームは、TEGを組み込んだTシャツは作ってみた。そうしたところ、TEGを組み込んだTシャツは1平方cmあたり6マイクロワットの発電能力があったという。さらに装着者が運動すれば、16マイクロワットまで発電できた。
「TEG内蔵Tシャツは、現実的なウェアラブル技術になりえますが、上腕のバンドほど効率よくはないですね」とVashaee准教授はいっている。
この研究の目標は、心臓発作の経過観察や、喘息の発作を予防するために肉体的、環境的な変化をモニターするといった、長期間の健康モニタリングを行うために、バッテリーに頼らずに作動することができるデバイスを作りたいのだという。
このサイトでも紹介したことがあるが、小さなセンサー類が必要とする電力は少なくなってきている。そしてワイヤレス技術が進んでいる。あとは、小さな電力を、自然や生体から回収することができれば、さまざまなモニタリングがバッテリーレスで可能になる。
こういった技術の進化によってIoT化が加速し、さまざまな小型センサーによるモニタリングが行われる世の中になっていくかもしれない。そもそも体温を空気中に捨てているなんてもったいない話だ。回収できれば、なんとなくお得な気になるというところも魅力的だろう。
【参考・画像】
※ Lightweight, Wearable Tech Efficiently Converts Body Heat to Electricity – NC State University