【プロ野球】【FAは成功? 失敗?】昨年のオフにFA移籍したあの選手4人の今季成績は?
いよいよ、クライマックスシリーズに向かうプロ野球。熱戦とともにストーブリーグの火も灯りはじめている。
今季は大島洋平(中日)、平田良介(中日)、陽岱鋼(日本ハム)、糸井嘉男(オリックス)、岸孝之(西武)など豪華メンバーがFA権を取得。ストーブリーグを盛り上げてくれそうだ。
ところで昨年のオフにFA移籍した面々の今季の活躍はどうだったのだろうか? “ドラフト&FA”戦線突入前に「FA戦士」たちの今季成績をおさらいしてみよう。
(成績は9月29日時点)
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■高橋聡文(中日→阪神/33歳)
推定年俸:3000万円→5000万円
【昨季成績】
35試合:3勝3敗/6ホールド/防御率3.51
【今季成績】
54試合:3勝1敗/20ホールド/防御率3.76
昨オフ、3年総額1億5000万円で阪神に移籍。2011年に左肩痛を起こして以降、中日では出番が減少傾向にあったが、今季は2010年以来となる50登板オーバー。開幕からシーズン終盤まで1軍リリーフ陣に定着し、本来の力を見せつけた。
安藤優也や福原忍のように30代後半からリリーフで輝くベテランが出現する土壌が阪神にはある。まだまだ先が見込めそうだ。
■脇谷亮太(西武→巨人/34歳)
推定年俸:2400万円→2400万円
【昨季成績】
118試合:打率.294/3本塁打/22打点/4盗塁
【今季成績】
54試合:打率.157/1本塁打/7打点/0盗塁
敬愛する高橋由伸の監督就任に伴い、巨人に再び戻ってきた脇谷。西武時代はユーティリティー性を高め、チームに欠かせない存在になっていたが、巨人に戻ると苛烈な競争に晒された。
メインポジションの二塁には自身が人的補償で西武に移籍する要因となった片岡治大や新加入のクルーズがおり、出場は代打からの守備固めがほとんど。しかし、代打業にフィットできておらず、今季はパッとしない成績に。
西武時代に磨いた一塁守備や外野守備が生きるチーム構成になれば、状況も変わるはずなのだが……。
■今江敏晃(ロッテ→楽天/33歳)
推定年俸:2億円→2億円
【昨季成績】
98試合:打率.287/1本塁打/38打点/2盗塁
【今季成績】
87試合:打率.279/3本塁打/23打点/2盗塁
「ミスター・ロッテ候補」と呼ばれながらも断腸の思いで楽天に移籍した今江。昨季は死球による骨折で本領発揮とはならなかったが、今季もやや不運な展開。自主トレ中に左ふくらはぎを痛め、キャンプに出遅れ、5月下旬には死球による左尺骨の骨挫傷で戦列を離れた。
それでも出場すればコンスタントにヒットを重ね、状態が悪いなかでも最低限の仕事をこなした。梨田昌孝監督のもとで2番、3番、5番、6番、7番とさまざまな打順で起用されたが、ロッテ時代の「猫の目打線」経験もあり、どこでもフィット。
新天地でもリーダーシップは発揮した。来季こそは年俸に見合ったフルシーズンの活躍を期待したい。
■木村昇吾(広島→西武/36歳)
推定年俸:4100万円→2000万円
【昨季成績】
72試合:打率.269/0本塁打/8打点/2盗塁
【今季成績】
38試合:打率.221/0本塁打/5打点/3盗塁
昨オフ、広島からFA宣言したものの手を挙げる球団がなかなか現れず、結果的にテストを経て西武に入団した木村。FA移籍での年俸減はほとんどない事態で、本人も「ゼロからのスタート」と意気込んだ。
それでも培ってきた実力はやはり本物。西武でも4月23日に1軍昇格すると、一塁、三塁、遊撃でスタメン起用され、「便利屋稼業」で輝きを見せはじめていた。
しかし、6月下旬に右ヒザ前十字靭帯を断裂。靭帯再建手術は成功したものの、全治は未定で野球人生を賭けたリハビリ生活に突入した。なんとも歯がゆい1年だった……。
文=落合初春(おちあい・もとはる)