気づかぬうちに平衡感覚に異変…!? 短時間睡眠が身体に及ぼす影響 (2/2ページ)
酔っ払いのようにふらふらと、誰が見ても揺れているレベルではないことも特徴です」(吉村先生)
短時間睡眠後に歩いた当人にしてみれば、バランス感覚がおかしい感覚はまったくなく、いたって普通にまっすぐ歩いているつもりだったとのこと。しかし、出てきた数値を見ると、長い睡眠時間をとった人に比べて、明らかに身体動揺が激しかったのです。つまり、睡眠時間を削っていくと、知らず知らずのうちに正常なバランス感覚を失ってしまうことが十分ありえるのです。しかもそれに自分では気づくことができない…となると、短時間睡眠が続いた場合の影響が気になるところ。
短時間睡眠で「平衡感覚が低下した状態」が続くとどうなる?
短時間睡眠で歩行時に身体動揺が激しくなり、平衡感覚が失われると、どのようなリスクがあるのでしょうか。
まず考えられるのは、身体の揺れによる転倒のリスク。特に、高齢者の場合は危険です。また、若い人の場合は、歩きスマホをしているときなどに転倒する確率が高くなることも。
さらに、短時間睡眠での身体の揺れは、自動車の運転や自転車での走行にも悪影響を及ぼす恐れがあります。前述のように、短時間睡眠によって景色をとらえる視覚力が低下するため、歩行時と違う速度で進む車や自転車に乗るのは非常に危険。命に関わる思わぬ事故を引き起こしてしまうことも考えられます。
さいごに
寝る間を惜しんで働いたり、遊ぶために夜更かしをしたり、逆に早く起きたり……と、現代人は何かにつけて睡眠時間を削りがち。しかし、適切な休息をとらずにいる分だけ、身体の正常な平衡感覚を失い、それによる転倒や事故のリスクも高くなる恐れがあります。
トラブルに遭わないためにも、日ごろから自分の身体を過信せず、十分な睡眠時間をとり、しっかりと身体を休ませてあげることが必要ですね。
監修:慶應義塾大学医学研究科眼科学教室・臨床心理士 吉村道孝