北の被災地、作業員が強盗に豹変 (2/2ページ)

洪水の後が残るアパートの前で復旧作業が行われている。(画像:デイリーNK)
資材不足で工事が進まず
脱北者の証言によると、北朝鮮では家を建てる際に、レンガを縦に12個積み上げるのが一般的だが、写真では2〜3個程度しか見えない。
資材も機材もないため「工事を進められない」と現地情報筋が語る。
「資材は、金日成氏、金正日氏の銅像、革命史跡地に最優先で投入され、次いで鉄道、橋などのインフラに投入されている。住宅建設にも資材はある程度回されるが、絶対的に不足している」
情報筋によると、地面を掘って土を積み上げるところまではできたが、基礎工事をしようにもセメントもブロックもない状況だという。このため工事の進捗は非常に遅い。
北朝鮮当局は、金氏一家の「聖地」や、プロパガンダに関連する地域に資材を優先的に供給するが、その他の地域には人員を投入するだけで、何もできていないようだ。
当然のことながら、作業員に配給する食料も必要になるが、当局からの配給はないため、地元民が調達せざるを得ない。それができなければ、腹をすかせた作業員たちは、突如として強盗に豹変し、村を襲う。
こうしたなか、労働新聞は「奇跡を産む母は大衆の精神力であり、強盛国家の建設において新たな全盛期を切り開くための基本的な鍵は、大衆の心に火をつけること」だとして、精神論を煽るばかりだ。
「当局は10月までに住宅を完成させ、住民に提供すると宣伝しているが、それを信じる人は皆無だ」(情報筋)
中国の中央気象台によると、この地域の朝の気温はすでに0度近くまで下がっており、今月10日は氷点下になると予報されている。被災者にも作業員にも寒く辛い冬になりそうだ。