これが男の気合いの表明だ!:杉作J太郎「美しさ勉強講座」連載33 (2/3ページ)

ブッチNEWS

 そのセ・リーグの覇者、広島カープ。

 俺は中学生の頃から40年来のファンだが、当時は大下、三村、水沼、外木場、江夏、大下、金田、木下、衣笠、コージ、水谷の時代。ワイルドな、男くさい集団であった。映画「ワイルドバンチ」でマパッチの砦に殴り込むウィリアム・ホールデン、アーネスト・ボーグナイン、ベン・ジョンソン、ウォーレン・オーツの雰囲気は確実にあった。

 で、その雰囲気はあれから40年たった今も確実に、ある。

 人を殺す、とか、刑務所、とか、褒められた話ではなく、あくまでももののたとえ、比喩なのだが、野球を語るときにそうした言葉が出てくるのはコンプライアンスの厳しい昨今、広島の選手だけである。

「人がやるからわしもやるというのは好かん」

 広島カープ創成期のエース、長谷川良平は解説者としてそう語った。後楽園球場にウェーブが起きた時、それを評して長谷川良平は言ったのだ。

 俺は俺。

 それでいいのだ。

 誰かが褒めてくれたからと気にする必要などない。

 ウィリアム・ホールデン、アーネスト・ボーグナイン、ベン・ジョンソン、ウォーレン・オーツがマパッチ砦に殴り込む時、誰かの評判を気にしたか? つぶやいたか? 「いいね」の数を気にしたか?

 そんな男たちである。

 2016年の広島カープも。

 そんなむさい男たちを遠くから眺めた時、カープのチームカラーの赤はわかるが、ピンクが目に入る。テレビでなんとなく見て、気になってる人もいるのではないか。

 菊池と丸である。

 ピンクのリストバンドやアームバンドを着用しているのだ。

 菊池も丸も戦争映画に出てくるような気の強い、むさくるしい男である。とくに今年8月末、初の4連敗をした頃の菊池と丸は凄い迫力だった。殺気が放たれていた。ベンチでも笑顔が一切なかった。いや、笑顔どころか殺気、であった。近くに寄ったら殺されてもしかたない。冗談抜きでベンチの中に座っている菊池はそんな顔をしていた。事実、近くを飛んでいた蚊とかは死ぬか失神して落下したのではないか。そして8月7日の巨人戦を迎えたのだ。

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