Webライターってどんなお仕事? ライターさんに聞いてみた

ニュースメディアやキュレーションサイトの急増で、需要が高まっているライター市場。一方で、1文字あたり1円を切るような原稿料の安さが取り沙汰されるなど、割に合わないという話も耳にします。Webライターって一体どんな感じで仕事をしているのでしょうか? いろいろなWebライターに聞いてみました。
■趣味を仕事に。人気ニュースメディアのライター・松岡さん
IT系企業で働く傍ら、「しらべぇ」「ITmedia」など複数の媒体で記事を執筆している松岡佑季さん。仕事で得た知見を活かしてマーケティングや営業についての記事を書くほか、趣味と実益を兼ねたグルメ記事を多く手がけています。
―どのようなスタイルでお仕事をされているのでしょうか。
「平日は本業に集中し、執筆は週末にまとめています。土曜日はお気に入りのカフェで書いて、日曜に取材に出掛けることが多いですね。最近は仕事が増えてきたので、平日の夜に書くこともあります」(松岡さん)
■気になる報酬は?
「趣味を兼ねることができたり、実績づくりにつながったりと、いろいろな兼ね合いをみて納得のいく原稿料をいただいています。マーケティングや営業といったビジネス寄りの媒体は比較的高めなことが多いですね」
報酬を得るだけでなく、キャリアを構築するという視点も持って仕事を選んでいる松岡さん。聞けば月に40本もの記事を書いているのだとか。ヒットするネタはどのようなところから着想を得るのでしょうか。
「友人との会話や仕事の中でヒントを見つけることが多いですね。テレビはあまり見ませんが、書店に足を向けたり、雑誌を呼んだりと、さまざまなところにアンテナを張るようにしています。編集部からはPV獲得のための情報収集術、書き方などの指導が入りますので、書き始めてから随分スキルアップできました」
―仕事はどのようにして得ているのでしょうか。
「全部自分から営業をして受けてきました。書きたいなと思った媒体に応募するなど、自分からアクションを起こしています。このあたりは本業での営業経験が活かせましたね」
―厳しい、きついと思うことはありませんか?
「実はあまりないんです。ネタ出しのときは確かに苦しいときもありますが、もともと書くことが好きでライターになったので。苦しさよりも、自分が書いたものをいろいろな人に見ていただく喜びのほうが大きいです。自分の名を売ることで、本業にもプラスになりますしね」
■一方、苦しい人もいる
Tさん(40)はもともと、雑誌や書籍を手がけてきたライター。ここ数年、書いていた雑誌が休刊したり、書籍の仕事が減ってきたりしたことを受け、Webの仕事を増やしてきました。「Webは安すぎて、とても暮らしていけません。取材原稿だって紙媒体の1/10くらいの金額ですし……」というTさん。
主婦のKさん(29)は子育てのため休職中。家計の足しにとクラウドソーシングで見つけたWebライターの仕事をしていますが、1時間頑張っても数百円という結果に「いくら自宅でできるとはいえ、やればやるだけ疲れる一方」と言います。美容についての記事を書く仕事ですが、書く内容を考えたり、調べたりしている時間が意外にかさむと気づいたのは後になってのことでした。
■原稿料は下がり続けるか
案件によって差はありますが、Webライターの原稿料が下がってきているのは確かです。原因の一つが、テキストの需要が急増したこと。オウンドメディアにキュレーションサイト、ニュースメディアなど、テキストが掲載される場も劇的に増加しました。クライアントは限られた予算の中で大量のコンテンツを作ろうとします。これらに応じるライターがいると相場が下がり、さらに安く提示する企業があり……といったスパイラルがあり、現在に至っているのです。ただ、「高くても良いものを書けるライターを」と回帰する流れも生まれています。
■Webライター、正しいなり方は?
制作会社やニュースメディアで日常的に募集されているので、一定の文章力があれば門戸は開かれています。制作会社であればほとんどが登録制。案件次第でオファーが来ます。ニュースメディアであれば、定期的にある程度の量を書く必要があります。一点注意したいのは、何を目指してWebライターになるのかによって案件を選ぶこと。単純にお小遣い稼ぎ目的、書くことが好きだからという理由であれば、どれを選んでも良いでしょう。
ただ、デビューしやすいWebライターを足がかりにものを書いていきたいのであれば、安すぎる仕事はおすすめしません。質が問われないということは適切な指導も入らないため、ライターとしての腕も上がらないのです。選択肢がたくさんあるからこそ、自分を安売りしないようにしたいものです。