藤井健太郎「自分が好きなことでしか、その人の本当の力は出ない」 (2/2ページ)

日刊大衆

誰かにやらされているわけではないので、どこまでこだわるのかは自分の裁量次第です。楽をしようと思えば、いくらでも楽はできるし、やればやるほどこだわりは細部に及んで、およそ視聴率的なものとはかけ離れていってしまいます。

 それでも、ナレーションをよくあるものでOKにするか、気の利いた言い回しに変えるのかって考えると、後者にしたい。番組全体のおもしろさや視聴率に大きな影響がなくても、ギリギリまで詰めたいんです。結局は、見栄なんだと思います。僕は、自意識過剰で見栄っ張りな性格なので、自分の番組が、おもしろくないと思われるのが、一番イヤ。

 バラエティ番組はそこまで作家性の強いものではないですし、とくに僕は一、会社員なので、大きなリスクも背負っていません。フリーのスタッフのように、視聴率が取れずに番組が終了し、食いっぱぐれることもない。僕がフリーであれば、生活のために視聴率を手堅く取れる番組を作っていたかもしれませんが、何も背負ってない会社員のいわば、“エセクリエイター”だからこそ、逆に細部までこだわらなければいけないなと思うんです。

 その分だけ、睡眠時間はなくなっていくわけですが、もう限界だと思ったら、その時は異動でもさせてもらって、のんびりしたサラリーマン生活を送ることもできるはずです。今は、せっかく会社に自分の好きなことをやらせてもらっているのだから、フルスイングで番組を作っていかないとなと思っています。

撮影/弦巻 勝

藤井健太郎 ふじい・けんたろう
1980年、東京都生まれ。立教大学卒業後、2003年にTBSに入社。『はなまるマーケット』などの情報番組を経て、入社3年目にバラエティ番組『リンカーン』に参加。その後、『クイズ☆タレント名鑑』『芸人キャノンボール』など数々の人気番組を世に送り出し、一躍脚光を浴びる。現在は、『水曜日のダウンタウン』を担当する。10月からは、新番組『クイズ☆スター名鑑』が放送される。

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