【ドラッグ無法地帯】西成・あいりん地区で"日本最高齢の売人"に接触 (2/2ページ)
この年になれば飲みにも行かへんし、飯もそんないいモン食わんでも生きていけるしな」
――では生活費は?
「威張っては言えへんけど、全部覚せい剤のシノギや」
――その年齢では街角には立てないし、デリバリーも無理では。
「部屋に来させるんや、固定の客をな。それだけで十分や」
――毎日色々な人が訪ねて来たりネタを売っていると噂にならないのか。
「そんな噂にはならへんって。お前もワシの事は知らんかったろ」
――確かにそうだった。
「一日ワンパケ売れればそれでええんや。1万の金が入れば仕入れ代払っても3000円は抜ける。そしたら月に9万やろ、それだけあれば生きていけんねん」
――顧客は何人位いるのか?
「5~6人やろな。新規の客は受け付けへんしな、寒くて(※)しょうがないやろ」(※逮捕されるのを恐れての意味)
――その生活を何年続けているのか?
「今の状態になったのは80才前後やから10年近く。派手にやれば体掛かるやろ。それやったら地道にな、ワシは残す金もいらんし、その日に使う金があればええんや」
――一日で3000円あればカネは残る?
「多少はな。だけどな、たまに贅沢すんねん、スパワールドとかあるやろ、あんなとこに行って一日過ごすんや、そんな事したら金残らへんがな、それに毎月初めにドヤの金払うやろ」
――自分では覚せい剤はやらないのか。
「この歳でやったら体いかれるやろ。あんな体に悪いモノはやらへんって」
――部屋にあったらやりたくなるのでは。
「部屋には置いてへんで。客が何時頃行くから、と電話入るやろ。そしたらワシが電話でワンパケ持って来さすねん、それを渡すだけや。電話すると言うても着信を残すだけで相手が持って来るねん。あうんの呼吸やな」
――もっと簡単に電話の紹介だけにするつもりはないのか。
「そんな事やったら、誤魔化されてワシに金回って来ないがな。相手だって必死や、客捕まえるのに」
――あなたは私の知る限りでは日本で最高齢の売人だが引退するつもりはないのか。
「そりゃやるしかないやろ、他に食う道がないしな。なんかいい話あったら回してな」
◇◇◇
最後は山っ気たっぷりの言葉で話をうち切ったが、日本最高齢と思われる売人はまだまだ元気である。もし、この人物が逮捕されても、本人が言うところでは「戸籍も無い」ようなので扱いには困るだろう。どこまでも逞しい闇社会の生息者である。
Written by 西郷正興
Photo by K-SAKI