金正恩氏を見限る北朝鮮の庶民たち…水害被災地で「行方不明者」増加 (2/2ページ)

デイリーNKジャパン

国境警備隊員2人が受け持つ警備区間の長さは5里(1250メートル)。いくら探照灯があったとしても、夜間の細かい動きを察知するのは困難だ。また、脱北する人の多くがこの地で長く暮らしており、土地勘がある地元住民やブローカーだ。国境警備隊員の目を欺くことなど朝飯前なのだ。

それでも、金正恩党委員長は脱北行為に対して厳しく取り締まるよう指示している。世界的な事件となった4月の北朝鮮レストラン従業員らの集団脱北を巡っては、公開処刑が行われたとの情報がある。

日増しに強化される金正恩氏の恐怖政治だが、これに絶望して北朝鮮を逃れようとするエリート層が増えている。そして庶民たちも隙あらば祖国を離れて中国や韓国へ向かおうとする。もちろん彼らも安易に生まれ故郷を離れているわけではない。ある程度、普通の生活ができれば北朝鮮で生き抜こうとするだろう。

脱北者が生み出される最大の要因は、北朝鮮政府の経済政策の失敗に行き着く。しかし、金正恩氏をはじめとする北朝鮮の支配層は自らの過ちを決して認めない。庶民が生き延びるための数少ない手段の一つである脱北行為を厳しく取り締まる。

庶民たちの脱北は、見方を変えれば身勝手な金正恩体制に対するささやかな抵抗ともいえる。

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