「生保受けたいから親に早く死んでほしい」支援者が語るひきこもりの本音 (2/3ページ)

新刊JP

――伊藤さんは過去にひきこもり相談員として支援の現場にいらっしゃいました。先ほど「ひきこもりから正社員になれるのは100人に1人」ということをおっしゃっていましたが、在職中に正社員になれた方はどれくらいいたのでしょうか?

伊藤:3年2カ月相談員をやって、正社員になれたという例は1件だけです。やはり、現状正社員はかなりハードルが高いといえます。

――可能かどうかは別として、正社員になるためにどんなステップを踏んでいくのでしょうか。

伊藤:人に慣れてもらおうという目的で、ひきこもりの人同士を集めて交流させる場があるのですが、そこでの振る舞いを見ます。

正社員は無理でもアルバイトで働けそうな人は、とりあえずアルバイトをしてみましょうか、ということになりますし、それも無理そうなら障がい者制度を使ってみようか、という話になります。

――「交流の場に来る」ところから、「働く」までにはかなり隔たりがあります。

伊藤:まず、「交流の場に来る」というところで一定数がふるいにかけられるわけです。

来られた人はある程度意欲のある人のはずなのですが、それでも正規か非正規かを問わず「働く」となると、かなり人数は絞られますね。「交流の場」で停滞してしまう人はすごく多い。

――今、ひきこもりの長期化と高齢化が大きな問題となっています。平均10年以上というデータもありますね。

伊藤:僕が会った方で一番長い方は、50代の方で30年くらいでしたね。

でも、おそらく40年以上ひきこもって60歳を超えている方もいらっしゃるはずです。その年代になると、「独居老人」というくくりになって「ひきこもり」としてカウントしないから実態が見えないだけで。

――ひきこもっている方々の本音として、自分の将来についてどう考えているのでしょうか。

伊藤:そこは人によって本当にまちまちで、悲観的な人もいれば楽観的な人もいます。

「なんとかしないと」と思っている人がいる一方で、「生活保護を受けたいから早く親に死んでほしい」と考える人もいます。「楽してお金をもらえそうだから議員になりたい」という人もいました。楽なわけがないんですけどね。

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