被災地の方言を守れ! 石巻発「おらほのラジオ体操」って? (2/2ページ)
たとえば、「支援者のための気仙沼方言入門」には、「救急車がチューチューシャに聞こえた」といった支援者の体験談や、「シャー君(=気仙沼のキャラクターであるサメ)ですか?」「ほでがす(そうです)」という会話例など、気仙沼の方言がわかりやすくまとめられています。
また、東北大学方言研究センターでは、支援者向けのみならず、被災地の方言を記録して後世に伝えることや、避難している方々に故郷の方言を配信することで励ますことまでも網羅した「伝える、励ます、学ぶ、被災地方言会話集―宮城県沿岸15市町―」を作成し公表しています。
これは、原則、各市町70歳前後の男女各1名のペアに会話をしてもらい、方言を録音し、それを文字に起こしたもので、同センターが提供する「東日本大震災と方言ネット」では、文字化資料(PDF)のみならず、音声(MP3形式)も公開しています。方言によるもうひとつの復興支援は、こうした活動を通じ、方言そのものの研究の幅を広げることにもつながっているのです。
――ふるさとの 訛なつかし 停車場の 人ごみの中に そを聴きにゆく
石川啄木は『一握の砂』の中でそう詠っています。どうやら方言とは、想像以上に大きなチカラを持った大切な響きのようです。大学生のなかには、進学や就職で故郷を離れる人も多いと思います。方言を耳にする機会はなくなっても、きっとそれは心の奥深くまで染み込んでいてずっと忘れられないものなのかもしれません。
文・鈴木ゆかり
※参考
東日本大震災と方言ネット http://www.sinsaihougen.jp/
『方言を救う、方言で救う―3.11被災地からの提言』(東北大学方言研究センター ・著)
『方言を伝える―3.11東日本大震災被災地における取り組み』(大野眞男 小林隆・編集)