かつて奴隷であった女性が残した、アメリカの黒人奴隷の墓地の記録 (2/2ページ)

心に残る家族葬



■墓地の様子からも当時の過酷さが伺えた

興味深いのは、ジェイコブズの母の墓標は、生きた木であったということである。この「生きた木の墓標」は、妻に先立たれたジェイコブズの父が植えたものであったが、何の木であったかは書かれていない。

更に言うと、1835年頃の時点で、彼女の母の墓標であった木は、「黒ずんだ」切り株となっており、それよりも前に切り倒されていたことがうかがえる。ジェイコブズの母は1819年頃に亡くなっており、墓標として植えられた木がそれから20年も経っていない時期に、寿命で枯れたので切り倒されたとは、少々考えにくい。

なぜ、誰によってこの墓標の木が切り倒されたのかは、わからない。但しこれも、「ナット・ターナーの乱」後に、奴隷たちの祈りの集まりがしばしば禁じられ、イーデントンの奴隷墓地に隣接する集会所も取り壊されたことと、関係がある可能性も考えられる。過酷な抑圧の歴史が、こうしたさりげないくだりからも読み取れる。

参考文献:ある奴隷少女に起こった出来事、 アメリカ黒人とキリスト教 ― 葛藤の歴史とスピリチュアリティの諸相

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