天才テリー伊藤対談「草刈正雄」(1)三谷さんの台本を素直に演じました (2/2ページ)
草刈 ええ、次の大河ドラマに関してはまったく何の情報も知らなかったものですから。真田一族の話、しかも昌幸役ということで、こんなにビックリしたことはないです。というのも、真田に関しては31年前に一度やっていますからね。
テリー 85年のNHK新大型時代劇「真田太平記」ですね。あの時の草刈さんは真田幸村役、つまり今回の堺雅人さんの立場で。
草刈 その時は親父の役、つまり昌幸役を丹波哲郎さんが演じられていたんですが、もうすごい存在感だったんですよ。お芝居も、おもしろかったですしね。
テリー 丹波さん、うまいですよね。でもセリフを覚えないことで有名ですから、現場は大変だったんじゃないですか?
草刈 ところがね、あの役に関してはセリフを完全に覚えていました。長ゼリフもしっかり入って。
テリー エーッ、丹波さんにしては珍しいですね。
草刈 それほど丹波さんは、昌幸役に入れあげていたんですよ。本当かどうかわからないですけど、直接(原作者の)池波正太郎さんに電話をして、「僕にやらせてくれ」とお願いしたという噂もあるんです。
テリー そんな丹波さんの姿を見て、さらに三谷さんからの直接オファーだと、気合いもかなり入ったんじゃないですか?
草刈 入りましたねェ。というのも、そのオファーの際、三谷さんから「丹波さん、超えましょうね」と言われましたから(笑)。
テリー ああ、やっぱり「真田太平記」の存在って大きいんだ。それは、かなりのプレッシャーですね。
草刈 ええ。やっぱり僕の中には「昌幸=丹波さん」のイメージが大きかったものだから、その時はどう演じればいいのか、すごく悩んだんですよ。でも、その後、三谷さんの台本を5~6話分まとめていただきまして、読んでみたところ、丹波さんの昌幸とは違ったイメージのキャラクターで書かれていたんですね。
テリー 確かにそうでしたね。
草刈 そして何より、三谷さんの台本が、とにかくおもしろいわけですよ。だから「今回の役作りは、どうしましたか?」みたいなことをよく聞かれるんですけど、実はほとんどやってないんです。三谷さんの台本から感じたことを、素直に淡々と演じれば絶対におもしろくなる。そして、僕を信じてくれた三谷さんを裏切らない。その一念で、ずっとやってきたんです。