金正恩氏が頼りにする「密告部隊」100万人のネットワーク (2/2ページ)
そんな中に身を置いている人々は、「いつ密告されるかわからない」と疑心暗鬼になり、物言いが慎重になる。結果的に、当局は国民統制の目的を遂げることになるのである。
ちなみに、密告ネットワークに網羅された人々は、何を目的にそんなものに加わっているかと言えば、決して「思想」や「愛国心」などのためではない。「生き抜く」ためである。泣く子も黙る秘密警察から「手下になれ」と迫られて、拒むことのできる人がどれだけいるだろうか。
一方、権力と癒着し、そこから経済的利益を得ている密告者たちもいる。それとて、「生き抜く」ことが目的であるのに変わりはない。
もっとも、たとえそこまでされても、北朝鮮の人々はもはや、思考まで体制に縛られてはいない。頭の中では、金正恩体制の権威を笑い飛ばすユーモアをたくましく維持している。
今回の統制で「生き抜く」ための商売を邪魔される庶民は、正恩氏への不満をいっそう募らせ、心の中で彼の権威を笑い、思考の自由をさらに広げるに違いないのだ。