トラウマから脱却するためにあなたができる《3つの方法》
精神的なショックや恐怖からできる心の傷、トラウマ。今となっては誰もが知っている言葉ですが、あなたはトラウマについてちゃんと理解していますか?
今回はトラウマの本当の意味からトラウマを払拭させる方法まで話していきたいと思います。
□トラウマという言葉は気軽に使えるものではない
□トラウマの医学的定義は未だに議論中!?
□トラウマから脱出するための3つの方法トラウマの本来の意味とは?精神的な問題というのはどの症状も定義するのが難しいです。医学は時代の経過とともに進化・発展していくため、その都度定義も変わっていきます。
トラウマも同様に絶対的にこうである、という位置付けをすることは難しいのです。しかし、どうも私たちはトラウマという言葉を簡単に使いすぎているようです。
例えば「ショッキングな映像を見て以来、その手の映像作品はトラウマである」「昔、付き合っていた人からひどいことを言われ、トラウマになっている」「小さい頃に失敗した経験があり、トラウマになっている」など、
このようなことをトラウマと呼ぶには少し弱いです。もちろん本人にとって心の傷ではあると思うのですが、本来のトラウマの意味は〝非常に強い衝撃的な体験〟のことを指します。
友達と気軽に会話をしているとき、「それ、トラウマなんだよね」と言えるようなことは本来のトラウマの意味ではないのです。トラウマの医学的定義では、医学的に定義しているトラウマとはどういう状態なのでしょうか?よく言われているのが〝質〟と〝感情〟に焦点を当てた定義です。
質の定義
自分が死ぬかもしれない出来事、重症を負うような出来事を一度、または複数回経験していること。あるいは自分以外の他人が生命の危機にさらされるような場面を目撃・直面していること。
感情の定義
極度の恐怖、絶望、無力感などの感情に陥った経験があること。
これまでも精神医学的な目線でトラウマの定義はされているのですが、100%これが正しいという定義はありません。現在進行形でトラウマのマニュアルや定義は変えられており、常に議論されているのです。トラウマになりうる具体的な出来事トラウマになる可能性がある出来事をもう少し具体的に見ていきましょう。下記のような特徴が挙げられます。
予測できない出来事
これは自然災害や人為的な災害(交通事故・鉄道事故など)などを指します。このような出来事は自分がどのように行動したからといって現実を変えることはできません。
さらに目の前で友人や家族が亡くなった場面を目撃してしまったり、助けることができなかったりすると、「自分だけが助かってしまった…」という自責の念にかられることになります。
このような出来事は心に深く傷をつけてしまいます。
犯罪
暴力事件や性犯罪もトラウマを抱えてしまうきっかけになりやすいです。先に挙げた自然災害や事故と同じように犯罪も基本的には予測することができません。
また刃物で脅されたり、傷つけられたりといった命の危機を感じるような場面は強く心に残ります。その結果、フラッシュバック現象やPTSDなどが発症することもあります。
いじめ・虐待
いじめや虐待もトラウマになる可能性がある出来事です。虐待には身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待の4種類に分類されるのですが、そのすべてがトラウマになり得る可能性があります。
身近に起きる大ケガ
ここまで挙げたものは比較的、非日常的な出来事が多いのですが、日常にもトラウマを引き起こす出来事は潜んでいます。
例えば料理をしているお母さんが大火傷する光景を見てしまったり、友達とスノーボードをしているときに友達が大ケガするところを目撃してしまったりなど、大きな災害や事故・犯罪でなくてもトラウマになる可能性はあります。
戦争体験
今の日本ではなかなか考えられないケースですが、戦争体験もトラウマになりやすい出来事です。トラウマから抜け出すことはできるのか?心に深く傷をつけてしまっているトラウマから抜け出す方法はあるのでしょうか?
トラウマは繰り返しイメージすればするほど、どんどん強くなっていきます。忘れることができれば一番良いのですが、そう簡単にはいきません。
ここではトラウマから抜け出す3つの方法を話したいと思います。
トラウマを受け止める
人というのは不思議なもので、忘れよう忘れようと思えば思うほど、かえって思い出してしまう生き物です。トラウマを浄化させるには、一旦受け止めることが大切になります。
安全な環境でトラウマを再体験する
すごく荒療治のように聞こえますが、トラウマを再体験することはトラウマを克服することにおいて確実な方法のうちのひとつです。
恐怖体験をした場所が恐怖のままだと、解決には繋がりません。そこで恐怖体験をした場所は別に恐くもなんともない、という事実を自分の心に作り出すのです。
PTSDの治療法として「暴露療法」というものがあるのですが、あなたが恐怖体験をした場所やシチュエーションを作り出し、トラウマになった出来事を再体験します。
そして、恐怖や怖れを乗り越えるのです。最初は恐怖心を伴うことが多いですが、徐々に身体を慣らすことで自分に自信がついていきます。
しかし、いきなり過酷な状況で再体験を行うとパニック発作やトラウマがさらに悪化する可能性があります。暴露療法に対しての十分な知識と最初は確実に安全な環境を作り出してから再体験をするようにしましょう。
トラウマを客観視する
トラウマを客観的に見ることで、克服できる場合があります。やり方としては映画のスクリーンを想像するといいと言われています。
1. 映画のスクリーンを想像する。
2. 自身のトラウマ体験をスクリーンの映像に映し出す。
3. 映像の中の人物は自分ではなく、別の誰かだと意識する。
4. 映画の上映が終わるとともに、「もう終わったことだ」とつぶやく。
最後につぶやくことにより、「終わったことだ」ということをしっかり脳に意識させるのがポイントです。身体症状が出る場合は病院へトラウマが軽症な場合は自分だけでも克服できることがありますが、重症の場合は素直に病院へ行きましょう。
トラウマを思い出したとき、動悸が激しくなったり、心拍数の上昇、発汗など身体症状が出る場合は危険です。PTSDを発症していることも考えられますので、専門機関での治療が必要になります。未来を見据えて心の傷というのは深ければ深いほど、なかなか払拭できるものではありません。しかし、トラウマの原因はすべて〝過去〟の出来事です。私たちは今を生き、そして〝未来〟を見据えていかなければいけません。
変えることができない過去に目を向けるのではなく、変えることができる未来を向いて生きていきましょう。
(監修:Doctors Me 医師)