病魔と闘う荒ぶる役者たちの不屈秘話 「第2回・梅宮辰夫」(1)女を泣かす梅宮で売り出せ (2/2ページ)

アサ芸プラス

 梅宮の主演作は、鶴田浩二や高倉健の任侠作品の併映になることが多かったが、二本立ての看板にはこんな惹句(じゃっく)が使われた。

〈男を泣かせる鶴田、女を泣かす梅宮〉

 こうした扱いにも、むしろ梅宮は生き生きと取り組んでいたという。さらに、内藤が撮るようになってからレギュラー入りした山城新伍の存在も大きかった。

「最初は梅宮に『何であんなヤツを呼んだんだ!』と怒られたよ。新伍のメチャクチャなパワーのせいで、『不良番長』が完全なコメディ映画になっちゃったから。ただ、そのうち2人は抜群のコンビになって、その後の『帝王シリーズ』(70~72年、東映)でも組ませるようにと会社から指名されていた」

 内藤は役柄よろしく、山城や力也、渡瀬恒彦を引き連れて六本木を飲み歩く梅宮の“番長ぶり”を観察した。飲めば暴れる若手の役者もいたが、それを抑えるのは梅宮番長の役目だ。

 さらに、大阪・天王寺のキャバレーでスタッフ一同に大盤振る舞いする姿も目撃した。

「梅宮に『大変じゃない?』って聞いたら『いや、大丈夫だ』って言う。そのうち、ステージに立って梅宮が歌い出したんだけど、それで飲み代くらいのギャラが出ると。そこはしっかりしているなと感心したよ」

 映画を地で行く不良たちの青春だった。

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