金正恩氏「やり過ぎ」インターネットで地雷を踏む (2/2ページ)
韓国の聯合ニュースなどによると、北朝鮮は軍の偵察総局、朝鮮労働党の統一戦線部文化交流局、朝鮮6・15交流社などの対韓国工作を行う組織が、韓国のポータルサイトなどに投稿された根拠の不確かな話やデマなどを、他のサイトにコピペして拡散させる「コメント専門チーム」を運営。いわば「ネット書き込み戦闘」を展開しているとされる。
最近では、中国浙江省の北朝鮮レストランの支配人と従業員13人が脱北した事件をめぐり、統一戦線部は海外駐在の工作員に「『従業員は脱北ではなく拉致された』と書き込みせよ」との司令を下したという。米国にサーバーを置くあるサイトは、従業員の1人が国家情報院の北朝鮮離脱住民保護センター(旧合同尋問センター)で抗議のハンストを行い死亡したというデマを流した。
このような心理戦は韓国社会に対するものだけではなく、脱北した女性たちに向けたものでもある。北朝鮮が運営するサイトは従業員女性達の写真を公開しながら「脱北ではなく韓国側による拉致」と主張。彼女らの奪還を目指している状況下では、写真公開は「指名手配」も同然の効果を持つからだ。
金正恩氏暗殺映画積極的にサイバー戦を繰り広げる金正恩氏だが、地雷を踏むこともある。
今から2年前の2014年、金正恩氏暗殺を描いたコメディ映画「ザ・インタビュー」をめぐって配給会社であるソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)に対して大規模なサイバー攻撃が仕掛けられた。SPEは一時は映画の公開を見送り、オバマ米大統領がその判断に対して懸念を示すなど大騒動になった。
真偽はいまだに不明だが、米政府は北朝鮮がサイバー攻撃に関与したと見ている。北朝鮮は一貫して潔白を主張したが、日頃からサイバー攻撃を展開していることから犯人扱いされてしまった。さらに極めて低俗な映画だった「ザ・インタビュー」は、「北朝鮮がサイバーテロを仕掛けるほど激怒した映画」ということで話題となり、挙げ句の果てには自国への流通を恐れた北朝鮮当局が禁止令を出して過剰反応するという、まさに地雷を踏む事態となった。
結局、金正恩氏はインターネットを活用し、サイバー攻撃に力を入れたことにより、自身の権威が下がりかねない事態を招く──つまり「やり過ぎてしまった」わけだ。