【プロ野球】今年はジョンソン(広島)が受賞! 沢村賞にまつわるアレコレを調べてみた! (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

■江川か西本か。論議を呼んだ1981年の選考

 1981年、沢村賞の選考が大きな論議を呼んだ。この年の最有力候補は両リーグ唯一の20勝を挙げ、最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率と主要タイトルを独占した江川卓(巨人)。しかし、ふたを開けてみれば勝利数、防御率で江川に次ぐリーグ2位の数字を残していた西本聖(巨人)が受賞した。

 当時の沢村賞の選考は東京運動記者クラブ部長会による投票で決められていた。ここで、このすっきりしない選考の背景にあったのは1978年の「江川事件」。野球協約の盲点をついて巨人が江川を強引に獲得しようとした「空白の一日」の騒動を経て巨人入りを果たした江川は、当時の運動部長クラスにとっては単純に賞賛する存在ではなかった。

 江川への悪い感情が西本への票に集まったわけだ。なかには「江川は沢村賞に値する人格ではない」というひどい論調もあり、後年、江川は「それなら『沢村賞は人格も選考基準にある』と書いとけよ、と思った」と悔しさを吐露している。

 この一件もあり、翌1982年からは東京運動記者クラブ部長会による投票制ではなく、選考委員による選出に変わっていった。

■セ・リーグのみから両リーグからの選出へ

 沢村賞は1947年の制定以降、長らくセ・リーグの投手を対象とした賞となっていた。しかし、1989年からはパ・リーグの投手も選ばれるルールに変わっていった。

 両リーグの選手が対象となった初年度の受賞者は、11試合連続完投勝利を含む20勝を挙げた斎藤雅樹(巨人)。翌1990年に、新人ながらパ・リーグの投手タイトルを総ナメにした野茂英雄(近鉄)が、パ・リーグの投手として初めて沢村賞を受賞した。

 1990年代はセ・リーグの投手が受賞するケースが目立っていたが、2006年以降で見るとパ・リーグ投手が8度、セ・リーグ投手が3度と、パ・リーグが圧倒している。なお、セ・リーグの投手が受賞したその3度は、2010年、2015年の前田健太、今年のジョンソンと全て広島勢だ。

 近年は「先発完投」を第一とする価値観から「投手分業制」へと、投手を巡る環境も大きく変わってきた。沢村賞の対象投手には、「先発投手だけでなく、中継ぎ、抑え投手も選考対象とすべき」「選考基準にQS(クオリティスタート)を入れるのはどうか」という声も挙がっている。

文=武山智史(たけやま・さとし)

【関連記事】
「【プロ野球】今年はジョンソン(広島)が受賞! 沢村賞にまつわるアレコレを調べてみた!」のページです。デイリーニュースオンラインは、沢村栄治クリス・ジョンソン沢村賞野球太郎プロ野球スポーツなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る