東京大停電 首都直下大地震で電力供給ストップの地獄絵図 (2/2ページ)

週刊実話

幸い5分後には復旧して手術を開始することができたそうですが、停電が長時間にわたる場合は中止せざるを得なくなる。都内で最悪のケースに耐えられる病院が、いったいどれくらいあるか。しかも、直下型地震による停電の場合、ただでさえ負傷者で各病院は大混乱になっていますからね」(同)

 エレベーターの中も怖い。2006年に東京都防災会議が出した被害想定では、M7.3の地震が東京湾北部を震源として発生すると、都内のエレベーター約14万5000台のうち、約9200台で“閉じ込め事故”が発生するとしている。
 「ハイテクビルのエレベーターの場合は、中央コンピューターで運転を制御するため、非常口が外からしか解錠できず救助を待つしかない。保守員が駆けつけ現場の状態を確認してから、エレベーターのブレーキを開放し、箱を移動させた上で外部から扉を開け救出することになる。この間、外部と遮断された人たちの不安は極限状態にあり、パニック障害を引き起こす場合もある」(前出・全国紙記者)

 一方、地震が発生した場合、地下は地上と比べ揺れが小さく安全と言われるが、実際はどうか。
 「確かに、東日本大震災の時、地上の鉄道は駅や電柱、橋脚などで多数の損壊が出ましたが、宮城県仙台市を走る地下鉄などは大きな被害がほとんどなかった。とはいえ、地下鉄が地震に強いというのも程度の問題。阪神・淡路大震災では、神戸高速鉄道の大開駅が壊滅的な被害を受け、地上の国道まで陥没した。もし列車が進入していれば、さらなる大惨事を呼んでいました」(地元記者)

 地下鉄の施設は緊急時に備え、停電が発生した際に予備電源を作動させることが義務づけられている。
 「最低限の明かりを確保するという考え方があるわけです。ただし、非常電源のバッテリーは、30分で切れるそうです」(前出・渡辺氏)

 地上は帰宅困難者がひしめき合っているため、出口にたどりついても簡単に外へ出ることはできない。
 「そうこうしているうちに予備電源も停止し、構内は完全に停電になる。地下鉄は空調設備のほか、電車が走ることで空気を押し出し、トンネル内の空気を循環させている。そのため、停電し電車までも止まってしまうと空気の循環が滞り、二酸化炭素の濃度が一気に上昇してしまうのです」(前出・全国紙記者)

 神戸交通局が行った実験によれば、ラッシュ時に地下鉄の空調が止まった場合、二酸化炭素濃度はわずか1分間で標準時の760PPMから843PPMに上昇することが分かっている。敏感な人であれば1000PPMを超えると思考力が低下し始めるという。
 地震そのものはもちろん、暗闇の覚悟も必要だ。

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