松本、太田、岡村…乱立するご意見番芸人「ポストたけし」は誰だ?

日刊大衆

松本、太田、岡村…乱立するご意見番芸人「ポストたけし」は誰だ?

 世相を一刀両断にする“ご意見番”。鋭く本質を突く舌鋒は一種の芸ゆえ、当人の力量が大きく問われもする!!

 最近のワイドショーや情報番組では、コメンテーターとして活躍する芸人が多い。芸能スキャンダルはもちろん、政治や社会問題にまで物申す“ご意見番”芸人の全盛時代だろう。「時事問題に独自のお笑い的目線から鋭く斬り込む芸風というと、かつてはビートたけしさんの専売特許でしたが、最近は、さまざまなタイプがいて活況です。ただ、実際は玉石混交。サバイバルレースは、これから激化していきそうです」(テレビ誌記者)

 はたして“ポストたけし”となりうる芸人はいるのか。業界評価を取材してみた。まずは、『ワイドナショー』(フジテレビ系)で唯一のレギュラーコメンテーターを務める松本人志(53)。「“天才”松本人志が、結婚して家庭人となった今、多様な時事問題をどう語るのか。ダウンタウンの笑いで育ってきた世代は強い関心がありますから、“ご意見番”としての資格は十分ありますよね」(お笑い評論家のラリー遠田氏)

 実際、8月のSMAPの解散騒動の際は、彼らのヒット曲『世界に一つだけの花』になぞらえて、「押し花になったりドライフラワーになって残るくらいなら、きれいに散ってしまったほうがいい、という考えは個人的には分かる」と、当人たちの心情を代弁して絶賛されたように、コメンテーターとしての評価は高い。「番組当初は、コメントにエッジをきかせようと空回りしていた部分もありましたが、最近は肩の力も抜けて、笑いの要素を残しながらも、視聴者の共感を呼ぶコメントが増えています」(前出のテレビ誌記者)

『ワイドナショー』と同時間帯で視聴率争いを繰り広げる『サンデー・ジャポン』(TBS系)には、爆笑問題の太田光(51)がいるが、「もともと、彼らは漫才で時事ネタを扱ってきましたし、『太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。』(日本テレビ系=終了)で政治問題も斬っていた。NHKに『探検バクモン』という人気番組を抱えている強みもあり、発信力があることは間違いない。ただ『サンジャポ』は、扱う情報量や出演者が多く、太田のキレのあるコメントがじっくり聞ける作りではありません。彼の毒舌を聞きたいなら、今はTBSラジオ『爆笑問題カーボーイ』ですね」(放送作家) ポストたけしに近いのは、やはり、この2人なのか。

 最近は、ナインティナインの岡村隆史(46)も、『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)での発言が話題になるが、評価は松本、太田には遠く及ばない。「舛添要一前都知事が辞職した際には、“人間なんて叩いたらホコリが出る。完璧な人間なんていてへん”、高知東生のシャブ逮捕には、“芸能界が薬物汚染みたいになっているって思われるのは、すごい嫌や”と発言。お笑い芸人としては扱いづらいテーマにも積極的に触れてはいますが、内容に面白みがなく、切り口も一般人と変わりません。コメンテーターとしてはもうひとつですね」(芸能記者)

 では、春にCSで『日本国憲法TV』という番組をスタートさせるなど政治的活動が顕著になっており、政界進出の噂が消えないロンドンブーツ1号2号の田村淳(42)はどうか?「フォロワー数200万人超を誇るツイッターでのガチンコなメディア批判、政治批判に、若者の支持は集まるようですが、学級委員的な青臭い理想論が多く、清濁併せ呑む器量がない。発言の影響力はあるんですが、コメンテーターとしては考え方に偏りが強すぎて、扱いづらいでしょう」(前出の放送作家)

 彼が時事問題を扱える番組が、ローカル局、CS、BS番組に限られていることが、その証拠だろう。

 田村淳と、また違った意味でガチンコなのは、ゲス不倫騒動のさなか、ベッキーが週刊文春に手記を寄せたことに対して、レギュラー出演する『白熱ライブ ビビット』(TBS系)で「あざとい」と発言して炎上した、オリエンタルラジオの中田敦彦(34)だろう。「慶應卒のインテリキャラを生かしたポジション作りに躍起ですよね。ただ、発言やキャラクターに隙がなく、人間としてのかわいらしさが伝わってこない。あざといのは自分のほうでしょう(笑)。今のキャラでは、視聴者の支持を得るのは難しいのでは」(前同)

 一方で、プライベートで福島第一原発の視察をしたことが話題となった『直撃LIVE グッディ!』(フジ系)の水曜レギュラー、カンニング竹山(45)は、行動派の“頑固オヤジ”という地位を築きつつある。ただ、同じ『グッディ!』でもサバンナの高橋茂雄(40)や麒麟の川島明(37)は、非常に危うい模様。「バラエティ番組の“ひな壇芸”を情報番組でもやっているだけで、コメンテーターとは言えませんね」(前出の芸能記者)

 それよりは、『バイキング!』(フジ系)や、TBSラジオ『おぎやはぎのメガネびいき』で、「ブスが発言力を増してきている時代なのかもね。俺らの時代ってブスは発言権なかったじゃん」 など、本音すぎるブス論がたびたび注目される小木博明(45)のほうが、ご意見番としては異彩を放つが、しょせんは色もの。

『スッキリ!!』(日テレ系)の加藤浩次(47)などの“芸人MC”陣も、今はまだ進行役に過ぎず、たけしレベルは望むべくはない。「たけしさんは、自分の壮絶な生き様を見せてきたうえで、“自分はこういう考えだ”というものを提示するから、他の芸人とは説得力が違います。それでいて、どこか“オイラみたいな芸人風情が言うことを本気にしちゃいけないぜ”という照れとユーモアがある。自分という“人間”そのものを売りにしてきた、たけしさんだからこそできる究極の芸ですから、そうそう真似できる人はいないはずです」(前出のラリー氏)

 “たけしの後に、たけしなし”か――!?

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