デルタ航空の飛行機で日本の学生が作った映画が上映されているって本当? 作品が公開された経緯は

学生の窓口

みなさんは、アメリカの航空会社『デルタ航空』の機内で、日本の学生が手掛けた作品が上映されていることをご存じですか? この作品は立命館大学映像学部の学生が「映画制作論」という授業の一環で制作したもので、2016年3月から2017年2月までの期間、エグゼクティブクラスの上映プログラムにラインアップされています。今回は、作品が公開されるようになった経緯などを立命館大学映像学部の中村彰憲先生に伺いました。

■作品は作るだけでなく外部に発信することで価値が生まれる

――まず立命館大学映像学部について、どのようなことを学ぶ学部なのか教えてください。

中村先生 「映像」をアート・ビジネス・テクノロジーの領域から学び、映像に関する専門的な知識と技能を修得しながら、総合大学ならではの幅広い教養も得ることができます。総合的な広い視点で映像を捉える映像文化の創造者(プロデューサー)を育むことが狙いです。

――学生が手掛けた作品がデルタ航空で上映されていますが、その作品の内容は?

中村先生 「京都の美」を示した映像もある一方で、社会的な課題(高齢化社会、孤独死、貧困問題など)を真摯に受け止めなければならないというテーマを掲げたオムニバス形式の映画です。嵐電(京福電鉄)は京都を代表する観光名所を巡る歴史ある路線であることから、この電車や線路沿いの町を舞台にしました。

――どういった経緯で作品がデルタ航空で上映されることになったのですか?

中村先生 作品は作るだけで終えるのではなく、それを外部に発信してこそ価値が生まれます。授業で学生が制作したこの映画をもっと広く届けたいという思いで、複数の代理店や配給会社にも声を掛けていました。

そんな中で京都市のご紹介で「香港フィルマート」というアジア最大の映像見本市に出展し、商談を進めることができました。その際に、学生の熱意や学部のコンセプトに非常に感動していただいた香港の代理店がデルタ航空での上映という案件を私たちに届けてくれました。

――デルタ航空の機内で上映されると決まったときの感想を教えてください。

中村先生 学生の努力が報われたと思い本当にうれしかったです。改めて行政関係の皆さまにも感謝しております。

――今後、映像学部としてはどのような展望をお持ちでしょうか?

中村先生 自分たちで制作したものをさらに売る、という経験が学生たちにとってかけがえのないものになったことを実感しました。なので、可能な限りこういった取り組みを積極的に進めていければと考えています。

――今回のことをきっかけに、学生の手掛けた作品がより幅広く展開していくといいですね。

■香港フィルマート参加は人生において大きな刺激となった!

作品を制作した学生はすでに卒業していますが、香港フィルマートに参加し、作品をバイヤーにつなげる重要な役目を果たした映像学部4回生の井内大輔さん、八木日向子さんに、参加した感想や、そこで学んだことは何かを聞きました。

――香港フィルマートに参加した感想を教えてください。

井内さん 学生という立場でありながら香港フィルマートに参加することができたのは大変大きな経験でした。自分が今回のプロモーションを通してどれほど貢献できたのかは分かりませんが、少なくとも自分にとっては実社会のマーケットを肌で感じることができ、緊張感とプライドを持って取り組むことができたのが大きいです。

八木さん 私にとって香港フィルマートは、人生の転機と言っても過言ではない経験になりました。とても大きな学びがあって、一日一日に何年分かくらいの刺激がありました。

――大きな刺激となった香港フィルマート参加ですが、井内さんはどのようなことを学びましたか?

井内さん プロモーションの初日は全く相手にされないことも多かったのですが、先生から商談の進め方や声の掛け方などアドバイスをいただき、また初日のつまずきでメンタルが強くなり、日に日に声を掛けることに対する抵抗は薄れていきました。

――失敗をうまく糧にすることができたのですね。

井内さん ブースでの商談に同席する機会も多く、映画の配給会社をはじめとする映像コンテンツを扱う多くの企業の方のお話を聞くことができました。オンライン配信の会社のバイヤーも非常に多く、映像コンテンツの流通の手法が大きく変わりつつあるのを実感することもできました。今後映画のプロモーション業界を目指す自分にとって大切なことを学ぶことができたと思います。

――八木さんはどんなことを学びましたか?

八木さん 参加してさまざまなバイヤーと商談する中で、「この人良さそう」とか「信頼できそう」、逆に「この人違うな」という「人柄はにじみ出るもの」ということを感じました。また、日本から参加している多くの企業と交流することで、日本の企業がどのように海外を見ているかを知り、「日本と世界との位置関係」を学べたのも大きいです。

――商談においては、日本も海外も信頼が大事なことは変わらないということでしょう。

八木さん プロモーションにおいても英語力がないことがネックでしたが、今回の目的は英語を話すことではなく、商談に結び付けることが自分の役割だということで、「英語を話せるということが全てではない」と良い意味での開き直りをすることで乗り切りました。そして普段できない経験だから楽しもうと思ったら、本当に楽しくなってきました。そこから「心持ち次第で何事も楽しくすることができる」という「精神的な学び」を経験できました。

――まずはチャレンジすることも大事なのですね。

八木さん 今回の経験は、これからの全てのことに生きるものだと確信しています。

井内さん 自分も、今回の経験を今後の自分の糧にしていきたいです。

――ありがとうございました!

作品がデルタ航空で公開されていることは快挙ではありますが、そこに至る経緯でも、学生の皆さんは大きな学びを経験したようです。今後も先輩、後輩と代を継いで良い学びのサイクルができるといいですね。

立命館大学映像学部製作 『嵐電の町、ひと模様』予告編動画

(中田ボンベ@dcp)

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