学費が高額な医学部……特別な奨学金ってあるの?

大学によっては卒業までの6年間で4,000万円もの学費が必要になる医学部。もし通う場合、生活費等も含めると大変な金額になります。ですので、医学部に通う学生の中には奨学金を利用している人も多くいます。では、一般的な学部よりも学費が高額になる医学部の場合、医学部生向けの特別な奨学金などはあるのでしょうか?
■JASSOの第二種奨学金は医学部なら増額可能!
最も多くの学生が利用している「JASSO(独立行政法人日本学生支援機構)」の奨学金は、
・第一種奨学金(利息のないタイプ)
・第二種奨学金(利息が付くタイプ)
の2種類があります。利息のない第一種は、国公立か私立か、また自宅から通うか自宅外から通うかによって金額の上限は変わりますが、その貸与金額に学部は関係ありません。ただし利息が付くタイプの第二種の場合、私立大学の医学部生は月額の上限12万円に4万円の増額が可能となっています。つまり月最大で16万円の奨学金となります。6年間だと総額1,152万円になるので、例えば6年間で約2,000万円必要な慶應義塾大学の医学部に通う場合、それとは別に約900万円ほどが必要になります。
また、私立大学の医学部の他に歯学部も4万円の増額が可能。同じく私立大学の薬・獣医学部は2万円の増額が可能となっています。
JASSO 第二種奨学金のページ
http://www.jasso.go.jp/shogakukin/seido/kingaku/2shu.html
■各地域で実施している特別貸与奨学金を利用する
医学部に通う学生向けの奨学金の一つに「特別貸与奨学金」というものがあります。これは「緊急医師確保対策」という2007年に文部科学省や厚生労働省が行った施策の中の一つ。地域の医療を充実させる目的で、各自治体が独自に医学生向けの奨学金制度を設けています。
例えば東京都の場合、「東京都地域医療医師奨学金」と名付けられた奨学金制度を設けています。大学や募集人数は都が指定しており、2017年(平成29年)度は順天堂大学と杏林大学が各10人、東京慈恵会医科大学が5人募集となっています。出願資格は、
●出願時に、次のいずれかの要件を満たす者
・東京都内に住所を有し、かつ高等学校等を卒業した者(卒業見込みを含む)
・都内の高等学校等を卒業した者(卒業見込みを含む)
●各大学が実施する「東京都地域枠入学試験」に合格したとき、当該大学への入学を確約できる者
※合格したときは入学を辞退できません。
●医師免許取得後、小児医療、周産期医療、救急医療、へき地医療のいずれかの領域で、東京都が指定する医療機関において9年間(初期臨床研修期間を含む)以上の期間、医師として従事しようとする意志を有すること。
となっており、これら全てを満たす場合に出願できます。出願し、採用された場合はそれぞれの大学の6年間の学費と月10万円の生活費が貸与されます。例えば順天堂大学の場合は6年間の修学費2,080万円と6年間の生活費720万円、合計2,800万円が貸与されます。
また、卒業後に特定の条件を満たした場合に奨学金の返還が免除となるのも特別貸与奨学金の特徴です。東京都の特別貸与奨学金の場合は、
●大学卒業後、2年以内に医師国家試験に合格すること。
●医師国家試験合格後、速やかに医師免許を取得し、卒業した大学の付属病院(ただし、都内に所在する病院に限る)で初期臨床研修を開始すること。
●初期臨床研修修了後、引き続き、小児医療、周産期医療、救急医療、へき地医療のいずれかの領域で、医師として、東京都が指定する医療機関に奨学金貸与期間の1.5倍の期間、従事すること。
という条件になっています。他の地域の特別貸与奨学金も、指定の医療機関で一定期間従事することが条件になっていたりするなど、おおむね東京都と同じような条件で奨学金の貸与を行っています。
東京都福祉保健局 特別貸与奨学金のページ
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/sonota/tiikiiryoushiensenta/isishougakukin/tokubetushougakukin/
■医学部進学を考えている場合は大学独自の奨学金制度の利用も考えよう
大学によって独自の奨学金制度を設けている場合も多く見られます。例えば順天堂大学医学部の場合は「基礎医学研究者養成奨学金」というものがあり、4年次以降に基礎医学研究者養成プランを選択した学生に月額10万円が貸与されます。条件としては、卒業後に貸与期間と同年数以上を本学医学部で基礎医学研究者として従事する必要があります。他にも入学試験において成績優秀だった場合に、1年次の授業料や施設設備費が全額免除になる「学費減免制度」も設けています。
他の医大、また医学部のある大学も同じように、卒業後に同大学の研究者として従事する、また指定の病院に一定期間従事するなどの条件で奨学金の貸与を行っています。
国立大学の医学部の場合、学費は6年間で約350万円ですが、私立はその6倍以上。よっぽど裕福な家庭ならともかく、やはり奨学金は欠かせません。もし将来医学部で学びたいという人は、こうした奨学金制度があることを知っておくべきでしょう。
(中田ボンベ@dcp)