世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第196回 なぜ、経済成長が必要なのか? (2/3ページ)
日本のGDPシェアが縮小し、国家としての購買力が減ってしまうと、やがては資源輸入すらおぼつかなくなり、衰退に拍車が掛かる。国内で生産されるモノやサービスは安い割に、輸入に頼らざるを得ないガソリンなどの価格は高騰する。国民は自動車を走らせるためのガソリンを入手することすら四苦八苦するだろう。まさに発展途上国だ。
また、物価が安い日本に外国人観光客が押し寄せる程度ならともかく、外国資本が殺到することになる。虎の子の日本企業は次々に外国資本に買収され、国内の安い賃金目当てに対内直接投資(外国資本の日本への投資)が相次ぎ、わが国は外国に毎年、巨額の所得収支を吸い上げられる構造になる。
実は、この構造はイギリス領インド帝国に代表される「植民地」そのままだ。
イギリス領インド帝国では、「鉄道」までもがイギリス資本の支配下にあった。しかも、鉄道事業が赤字になったとしても、インド住民の税金から配当金がイギリス本国の資本家に支払われたのである。
さらに言うならば、GDPシェア縮小で外国資本の植民地と化した場合の日本国では、まともな就職先が外資系企業しかない、という状況に至る。当然ながら、外資系企業では「英語」を話すことを求められる。
かつてインド帝国でインド人官僚が英語を話すことを強いられたように、われわれ日本国民は日本語ではなく、英語を「生きるために」学ぶ羽目になるだろう。高等教育も日本語は消え、英語のみで提供されるようにならざるを得ない。
そうなれば、世界に冠たる「日本の文化」は消滅の危機を迎える。お分かりだろうが、日本の文化は「日本語」と密接な関係がある。日本語が使われなくなる状況で、われわれは日本文化を受け継ぎ、引き継ぎ、発展させることはできない。
すでにして、安倍政権は「英語教育」を強化している。現在の日本における英語教育推進は、筆者には「植民地化への道」にしか見えない。つまりは、亡国路線だ。
亡国といえば、財政規模はGDPと相関関係にある。理由は、GDPが所得の合計であり、われわれは所得から税金を支払うためだ。GDPと税収は、ほぼ比例する。
日本のGDPのシェアが世界の2%前後に落ちたとき、中国のそれは20%に達しているだろう。