冬でも楽しめる! 100円ライターでプチ線香花火を見よう【立教理科工房の実験シリーズ 第2弾】【学生記者】

学生の窓口上では普段の活動を踏まえ、理科実験の魅力を中心に情報発信をしております。
今回は第2弾! 紹介するのは、「花火」についての実験です。もちろん、打ち上げ花火なんて作れません(要資格)ので、今回は手持ち花火の原点・線香花火を身近なアイテムで再現する実験をしてみたいと思います。「火薬でも使うの?」と不安に感じる人もいるかもしれませんが大丈夫、特殊な材料はいりません。どこにでもある「ライター」だけで実験ができます! なんで線香花火とライターが繋がってくるのか? 仕組みが理解できたら、新しい視点が見えてくるかも! 手軽なので、ちょっとした余興としてぜひ実践してみてください。もちろん火の取り扱いには充分に注意してくださいね。
■必要な物
フリント(発火石)式ライター
※電子ライターはこの実験に使えません

■実験の手順
この実験は火を使います! 通常のライターの扱い方に従って、注意して実験してください!
1.ライターのヤスリを、火花が出ない程度にゆっくり何度か回し、フリントを削る。
2.ヤスリを勢いよく回し、点火する。
3.線香花火のように、パチパチという音と共に火花が高く上がったら成功!
上手くできなかった方は、ヤスリを回す回数を増やしてみてください。以下のようになったら成功!

■なぜ線香花火のようになったのか
理由を知るためには、まず、線香花火の仕組みから理解しなくてはいけません! とは言ってもとても簡単なものです。線香花火の火薬の中には鉄粉が含まれていて、これが激しく燃焼することで、パチパチという破裂音を出しながら火花として飛び出すのです。金属も小さい粒にしてしまえば、空気と触れ合う面積が増えるので、簡単に反応してしまいます。
ライターもだいたい同じ仕組みで、ライターに入っているフリント(下図)はセリウム約7割、鉄約3割で作られた合金で、比較的低い温度で燃焼してしまうことが知られています。

■線香花火から工業技術へ!

これだけで終わってしまうとライターで遊んだだけになってしまいますから、せっかくですし線香花火をもう少し科学してみましょう! 線香花火の火花は松葉模様と呼ばれるように途中で分かれて見えますが、実はこの模様は内包されている鉄粉の性質によって明確に決まってしまいます。鉄粉内の炭素の含有量が多いほど、松葉は多く分かれることが知られています。
実は、過去の金属加工の分野ではこのことを利用して、材料を削ったときの火花の形や色から金属の種類を判断していたそうです!今は検査機械が普及していますが、この火花試験法はJIS規格にもなっている立派な検査方法なんですよ! 正確な判断には、熟練工の目がどうしても必要だったようですが……。
■最後に
どうでしたでしょうか。線香花火という単純なものに焦点を当てただけで、思わぬところで身近な物や本格的な工業分野まで、いろいろな話題に繋がってしまうことが分かっていただけたことでしょう!
世の中にはまだまだ他にもこうした見えないところで繋がっている現象があります。普段からほんの少し意識することで世界の新たな仕組みが見えてくるかもしれません。私たちの活動が、あなたの知的好奇心をくすぐるきっかけになることができたら嬉しいです!
<大学生のまずこれステップ>
1.紹介した線香花火の実験をやってみる
2.「火花」が実は過去の金属加工の分野で検査に利用されていたということを知る
3.世の中にある見えないところで繋がっている現象を読み解こうとする知的好奇心を持つ
文・立教理科工房 Eka