金正恩氏が「報復テロ」を恐れているのかもしれない (2/2ページ)

デイリーNKジャパン

10月8日には、羅南(ラナム)区域の人民委員会労働課長が刃物で刺されたが、なんとか一命を取りとめた。そして、これらの事件の犯人は一人も捕まっていない。

10月19日には、慈江道の教化局から満浦(マンポ)市の保安署に新しく赴任してきた保安員が旅館で、刃物で刺され死亡する事件が発生した。教化局とは、拘禁施設である教化所を管理する部署だ。強制労働、拷問、そして女性虐待が常態化している教化所の管理者だっただけに、住民から恨みを買って殺害された可能性が高いと情報筋は見ている。

このような凶悪事件が相次いでいるにもかかわらず、さらなる報復テロを恐れてか司法機関の捜査自体も進んでいない。さらに「こうした報復殺人事件をいちいち摘発していたらきりがないほど事件が多発している」と咸鏡北道の情報筋は語った。

北朝鮮で多発する当局者に対する凶悪殺人事件。こうした事件を擁護するつもりはまったくないが、庶民たちは当局者に対して積もり積もった憤怒を爆発させているのかもしれない。

今のところ、北朝鮮当局の頂点に君臨する金正恩氏に、庶民らの怒りが直接届く様子は見られない。しかし、気になる動向もある。ここ最近目立ちたがり屋の金正恩氏の地方への現地指導の回数が減っているのだ。当局者に対する報復テロは、正恩氏にも報告されているはずだ。現地指導が激減している裏には、金正恩氏が庶民らの反発に恐れていることがあるのかもしれない。

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