米倉涼子の魅力だけじゃない?テレ朝「ドクターX」失敗しない舞台裏を総直撃!(2)数字のための小細工一切なし (2/2ページ)
「僕は自分のコワモテなイメージに合わせた役柄を求められることが多いので、海老名のように気が弱くて、何事にも『御意』って従っちゃうようなキャラは演じていて楽しい。それに本当の自分の性格は海老名に近い部分もあるので、素の自分をすくい上げてもらった感覚がありますね」
上司としてセリフを掛け合う機会が多かった西田敏行については、こう明かしてくれた。
「西田さんは台本にないアドリブをかなり入れてくるんです。でもそれは、単に『笑わせてやろう』というような、適当なものではなくて、役柄を見抜いたうえで、それぞれのキャラを膨らませる達人級の技。西田さんとの“セッション”が海老名のキャラをより固めてくれました」(前出・遠藤)
結果、押しつけられる無理難題に「御意」とひと言返すことしかできない中間管理職の悲哀がにじみ出て、海老名は愛されキャラとなった。その舞台裏では、制作スタッフが地をはう姿勢で働いていた。
「『数字を取るために何かする』みたいな小細工は一切ありません。でも手術シーンが非常に正確だとか、そういうところをちゃんと作っているので、ストーリーに一本芯があるんです。例えば僕で言うと、セリフで使う医学用語のちゃんとした発音のCD音源を渡されました。スタッフも相当苦労していると思いますよ」(前出・遠藤)
前出・森田氏も、監修の立場から、何度もチェックを入れると語る。
「フィクションですから、全てがリアルである必要はない。しかし患者さんに不快な思いをさせたり、『そんなこと、絶対にありえない!』と思われたら、ドラマとしてダメだと思うのです。『この病気でこんな症状が出るはずない』とか、『この治療では決して治らない』といった、医学的に間違っている部分は、台本段階で十分に検討しています」
ドラマとは、大胆な荒唐無稽さが魅力である。しかし、それが宙に浮かないように、繊細にリアリティを練り込んでいるのだ。