出番を失いつつあるアルドラーゼ検査 有効活用が出来る唯一の疾患とは?
昔は目にする機会もあったかも知れませんが、今ではあまり耳馴染みの無い言葉になった
アルドラーゼ検査。
何を調べる検査で、結果から何が分かるのか。
現在はどうように利用されているのかなど、一つずつ解説していきます。
□アルドラーゼは糖を分解する酵素の一つ
□アルドラーゼ検査では筋肉組織や臓器の損傷具合が分かる
□筋ジストロフィーについてはアルドラーゼ検査が有効である そもそもアルドラーゼとは何か? もし検査項目としてのアルドラーゼを知っていても、それが何なのかを知っているという人はとても少ないでしょう。
アルドラーゼは摂取したブドウ糖をエネルギーに変換する糖分解酵素の一つです。
体内では筋肉組織、心臓や肝臓といった臓器、脳神経など糖由来のエネルギーを多く必要とする部位に大量に含まれています。
A型、B型、C型の分類があり、骨格筋や心筋および脳などにはA、肝臓や腎臓および小腸上皮にはB、神経系にはCが多く存在するというように分布に偏りが存在します。 アルドラーゼ検査についてアルドラーゼ検査とは採取した血液に含まれるアルドラーゼの量を調べる検査です。
筋肉組織や心臓に多く含まれているというアルドラーゼの性質から、それらの組織が損傷すると必然的に血中へアルドラーゼが流出します。
よって、アルドラーゼ検査を実施することで筋肉組織や心臓の損傷の有無、程度を知ることができます。
検査に際しては基本的に採血の6時間前から飲食は原則禁止です。また、筋肉を損傷させるため検査結果が影響を受ける運動も控えるよう指示される場合が多いです。
検査前の数日間のみ運動を禁止するのが通常ですが、定期的に行っている運動などあれば検査の実施が決定された後は禁止とされることがあります。
基準値は医療機関によって多少なり増減しますが、男性で8.1IU/ℓから13.0IU/ℓ、 女性で6.0IU/ℓから11.2IU/ℓとなっています。 アルドラーゼ検査が異常値の場合にはアルドラーゼ検査で異常値が検出された場合、最近の激しい運動が原因のこともままありますが、もし疾患に由来する異常値だった場合には深刻な疾患であることも多いです。
以下に考えられる疾患を記します。
・ウィルス性肝炎、肝硬変
・肝臓、腎臓、膵臓および前立腺の悪性腫瘍
・心筋梗塞
・筋ジストロフィー、皮膚筋炎、骨格筋炎
・白血病 など
どれもアルドラーゼを多く含む臓器や組織が重大に損傷する深刻な疾患です。ただし、アルドラーゼ検査だけでいずれの疾患であるか特定することは困難なため、アルドラーゼの異常値は確定診断には至りません。
また、血中のアルドラーゼは臓器や組織の損傷によって増加するため、病態が進行しきってしまうことで損傷する余地のある部分、残存する部分が少なくなるとアルドラーゼはかえって低下します。
そのため、アルドラーゼの数値を見る際には病態がどの程度まで進行していると推測されるかに注意する必要があります。 アルドラーゼ検査の現在アルドラーゼ検査は以前まで、肝臓や腎臓といった主要な臓器の異常、筋肉損傷の有無を判定するために利用されていました。
しかし、医学の進歩に伴ってアルドラーゼよりも異常値を誘発した原因を特定しやすい、つまり肝臓由来なら肝臓由来、腎臓由来なら腎臓由来の異常においてのみ反応するような血液検査が開発されたため、
現在ではほとんど使われなくなっています。
とは言っても、それらの疾患に対して全く利用されなくなっているという訳ではなく、心電図検査や筋電図検査および心臓エコー検査などと併用して、または既に疾患が特定できている場合に
その進行度を判断する目的で利用されています。 アルドラーゼ検査は筋ジストロフィーの診断に有用です時代の変化によって少しずつ出番を失いつつあるアルドラーゼ検査ですが、未だ通常の検査法として利用されている疾患も存在します。
その代表例が筋ジストロフィーという疾患です。他にも、皮膚筋炎や骨格筋炎といった骨格筋の稀な遺伝子疾患の検査にも利用されています。
筋ジストロフィーは筋力の低下や筋肉組織の萎縮を起こす遺伝子疾患で、骨格筋のジストロフィー変化を招くことから名付けられた病気です。
ジストロフィー変化とは筋肉の繊維が不揃いになったり、円形化および脂肪化することによって元来は束となっているはずの構造を失うことを言います。
ここでは骨格筋の大きな損傷を招きやすい疾患と覚えておいてください。そして、前出の皮膚筋炎や骨格禁煙もまた骨格筋の大きな損傷を招きやすい特徴があります。
そして、アルドラーゼ検査は筋肉組織の損傷を受けて数値が上昇しますが、特に骨格筋が大きく損傷した際に著しい高値を検出するという特徴があります。
そのため、検査結果の数値によっては筋ジストロフィーなどの疾患をアルドラーゼ検査のみで特定できる場合があるのです。 アルドラーゼ検査は今や非主流アルドラーゼ検査は血液を採取するだけで臓器や組織の損傷を捉えられるため、以前は頻繁に実施されていました。
今となっては多くの場面で他の検査に取って代わられてしまいましたが、それでも有効な面はある検査です。
その意義などをキチンと覚えておき、いざという場面で検査結果を活かせるようにしておきましょう。
(監修:Doctors Me 医師)