金正恩氏がキューバに対しては物凄く丁重である理由 (2/2ページ)

デイリーNKジャパン

北朝鮮には、このようにして深い関係を結んだ国がほかにもある。

北朝鮮はかつて、エジプトとシリアに空軍を派遣。中東戦争でイスラエル軍と戦った。また、ベトナム戦争にも空軍を送り、米軍機26機を撃墜した歴史がある。

凄惨な虐待

こうした国々は現在に至るも、人権問題などで北朝鮮が国際社会の追及を受けた場合には、制裁決議に反対するなどして金正恩体制をかばっている。

しかし果たして、そのような関係がいつまで続くのだろうか。カストロ氏の死去が象徴するように、地代は移り変わっている。かつて世界の多くの人々が、民族独立にこそ未来があると信じた時代があった。その時代に行われたことの何が正しく、何が間違っていたとしても、現在の政治指導者は、現在を生きる国民の幸福に責任を持たねばならない。

キューバ政府もまた、経済発展を重視して韓国との国交正常化に傾いているとされる。その流れを、正恩氏が送った弔電や弔問団で押しとどめられるとは思えないし、そんなことを期待するのも正しくない。

また、外国の戦争に参加することの是非はここでは敢えて問わないことにするが、そのようにして海外で血や汗を流し、犠牲者も出した北朝鮮の軍人や技術者、労働者たちは(本人らが不本意だったとしても)「国際主義戦士」として称えられた。

「国際主義戦士」とは、冷戦時代には旧社会主義圏や非同盟諸国で広く使われた言葉だ。例えば北朝鮮では、アルゼンチンで生まれながらキューバ革命に参加し、ボリビアで戦ったチェ・ゲバラ氏をこのように呼んでいる。

しかし今、金正恩体制が海外に送り出している労働者たちに、そのような栄誉が与えられているようには見えない。完全に金儲けの道具であり、凄惨な虐待まで受けている。

だから正恩氏もまた、「国際主義戦士」を名乗る資格などない。資格のない人物から「戦友」と呼ばれたい人物など、本当はもう、どこにもいないのではないだろうか。

「金正恩氏がキューバに対しては物凄く丁重である理由」のページです。デイリーニュースオンラインは、高英起デイリーNK東南アジア中東ニュース海外などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る