冬型栄養失調って、どんな病気? 健康のために冬こそ気をつけたいこと

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冬型栄養失調って、どんな病気?

ようやく「春」を実感できる暖かさになった。せっかくだから外出しよう!と思いながらも、からだの調子がイマイチなひとは冬特有の「栄養失調」かも知れない。

寒い季節は体温を維持するために多くのエネルギーを要し、2月は8月の1割以上もカロリーを消費するため、ちゃんと食べているつもりでも足りない栄養素が発生しやすい。寒いと感じるとアドレナリン/ノルアドレナリンが分泌され、これらを作るためにビタミンB/Cの消費量も増加するので、口内炎や肌あれが治らないひとは「冬型栄養失調」対策が必要だ。


■冬の食事は「5%増し」で

カメやカエルは寒いと動けなくなるのに対し、人間などのほ乳類は自分で体温を作り出せるため、気温の影響を受けにくい。しかしながらその代償も大きく、体温維持には多くのエネルギーが消費され、食べ物から得たカロリーの大半が使われてしまう。

心臓や呼吸などを含め、なにもしなくても使われるエネルギーは基礎代謝(たいしゃ)と呼ばれ、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、標準的な体型の18〜29歳は、

・男性(63.2kg) … 1,520kcal/日
・女性(50.0kg) … 1,110kcal/日

が目安とされている。家事やデスクワークが中心の女性なら、1日のエネルギー必要量は1,950kcalとされているので、およそ60%弱が「基本料金」状態になっている。1日2千円の食費なら、ゴロゴロしているだけでも1,200円分使われてしまうのだ。

基礎代謝は季節によっても変化し、暑い=夏バテ=やせるのイメージに反し、気温〜体温の差が大きい冬のほうが増加する。

・最大 … 2月:1,178kcal(年平均の105.2%)
・最小 … 8月:1,055kcal(年平均の94.2%)

と、2月がもっとも増えるので、いつも通りの食事をしても栄養不足になりやすい。これは特定の栄養素に限らず、炭水化物や脂肪も同じように不足しがちなので、夏に向けてダイエット!をしていたひとは栄養失調になっている可能性が高いのだ。

■寒さがビタミンを消費する!

寒い季節に不足しやすい栄養素はビタミンBとCで、寒さに対抗するためにアドレナリン/ノルアドレナリンの分泌量が増え、それらを作る際にビタミンが使われてしまうからだ。

気温とともに体温が低下すると心臓の動きも遅くなり、全身が貧血状態になってしまう。そこで寒さを感じると交感神経が働き、

・血管を収縮させる … 血管から皮膚への放熱を減らす
・「鳥はだ」を立てる … 毛を立てる

が起きる。(鳥はだは、体毛がなくなった現代人にとって防寒効果はない。)アドレナリンも同じような作用をし、交感神経が働いても「まだ寒い」と感じると、追い打ちをかけるように分泌されるのだ。

寒さでからだがふるえるのは筋肉の運動によって「熱」を作り出すためだが、それよりも前の段階で熱を作り出す働きが始まる。これは「非ふるえ」と呼ばれ、ノルアドレナリンが、

・脂肪を分解し、血液中の遊離(ゆうり)脂肪酸に変える指示を出す
・遊離脂肪酸を燃料にして、体温を作り出す

をおこなう。

アドレナリンやノルアドレナリンもタダでは分泌できない。これらを作り出すために、ビタミンBやCが多く使われてしまうのだ。

ラットの実験では、寒い場所で2週間飼育すると、尿から排泄されるビタミンB1の量が半分に減ったという結果があり、つまり寒いとビタミンB1の消費量が増えることが証明されている。冬に肌あれや口内炎ができやすいのもこのためで、寒い季節はビタミンB/Cが不足しがちになる。

なんとなく調子が悪いと感じているひとは栄養失調の可能性もあるので、サプリやドリンク剤を試してみるのも良いだろう。

■まとめ

・体温維持や呼吸などに使われるエネルギー「基礎代謝」は、冬に増加する
・寒さに対抗するために、アドレナリンとノルアドレナリンが使われる
・必要なカロリーやビタミンB/Cの消費量が増え、冬は栄養失調になりやすい

<参考>
・日本人の食事摂取基準(2015年版)
・日本畜産学会報 「ノルアドレナリン注入が肥育牛の血中遊離脂肪酸組成に与える変化」

(関口 寿/ガリレオワークス)

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