石鹸は、洗浄力を上げつつ、環境に優しく進化する? (2/2ページ)

FUTURUS


■ 冷水や硬水でも使える

研究チームは、このOFSが、従来の石鹸なら濁ってベタついてしまって役に立たなくなってしまうような冷たい水の中でもしっかり働くことを発見した。また、あまり濃度が高くなくても、洗浄に必要な高分子を形成することができることもわかった。これは河川など環境に対する悪影響を減らせることを意味する。

いっぽう、この新しいOFS石鹸は、硬水でも使えるように開発された。硬水は世界のさまざまな場所にあり、水に含まれる鉱物成分は石鹸成分とくっつき、硬いカタマリになって石鹸の洗浄力を落としてしまうのだ。

そこで、既存の石鹸や洗剤は、さまざまな化学物質を添加することでこの問題に対処している。キレート剤と呼ばれる成分などが鉱物成分をつかまえることで、石鹸分子の邪魔をしないようにしているのだ。この化学物質の多くは、環境に悪影響があるという。

しかし、このOFS石鹸は、水の中の鉱物成分と強く結びつくことがない天然由来の成分を使うことによって、この問題を解決した。そのため、化学物質の添加物は大幅に削減できている。

「このOFS石鹸のインパクトは、その洗浄力だけではないでしょう。OFSは大豆やココナツ由来のストレート炭素鎖から作られていて、問題なく微生物分解されるのです。まさに完璧な石鹸分子だといえます」と、研究チームのKristeen Joseph氏はいう。このOFSは、従来の洗剤と同じように泡立つので、洗濯機や食器洗い機など既存の設備においても、簡単に従来の石鹸に置き換えて使うことができる。

現在でも無添加の石鹸というのはやや高価だ。このOFS石鹸もコストや価格がカギになるのではないだろうか。また大豆やココナツという食料品にもなる植物を原料とすると、その供給量が確保できるのかどうかも気になる。そういった問題が払拭できれば、幅広く普及するかもしれない。

【参考・画像】

※ Researchers invent ‘perfect’ soap molecule – University of Minnesota

※ ケミカル・ワンダータウン – 経済産業省

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