恋愛がメインなのは日本だけ? ヨーロッパのクリスマスは「日本のお正月」に近かった!

■ヨーロッパのクリスマスは日本の「お正月」に近い!
日本でクリスマスというと、恋人同士で行動する人が目立ちます。恋人とプレゼントを交換しあって、イルミネーションを見て、二人きりで素敵な夜を過ごして……とクリスマスは何かと恋愛の要素が強いですよね。彼氏(彼女)がいない者同士がパーティーを企画したり、テレビではモテないキャラの芸能人がクリスマスにまつわる自虐ネタを披露したりと、クリスマスというものがいかに恋愛と結びついているのかがよくわかるエピソードが日本ではこの時期盛りだくさんです。イベントなどが一気に盛り上がるのも日本のクリスマスの特徴だといえるでしょう。
ところがキリスト教の多いヨーロッパでは、クリスマスにパーティ―的な要素や派手さはなく、完全に「家族一色」です。たとえばドイツでは、24日のクリスマス・イヴは自宅で家族とともに過ごし、25日は親戚の家に家族で顔を出し、26日にはまた別の親戚の家に顔を出す……といった感じです。そう、ドイツのクリスマスの雰囲気はどこか日本の「お正月」に近いのでした。
■ヨーロッパの若者にとってはクリスマスが「ウザい」?!
余談ですが「24日のクリスマス・イヴは、家族や親戚全員でクリスマスツリーを囲んで、クリスマス・ソングを皆で合唱する」なんて決まりのある家もありますが、現地の若者にとっては限りなくダサい行為のようで、ボイコットをする人も多いです(笑)。全体的にヨーロッパのクリスマにスは「家族や親戚が集まって仲良くしなければいけない」というような空気が漂いますので、いわば3日間家族や親戚と缶詰状態になるクリスマスは、思春期真っ只中の若者の一部からは不評のようです。「クリスマス自体をボイコットしたい!」という声も多くあったりします。現に筆者もドイツ現地で「うちの父親が毎年クリスマス・ツリーを囲んで、ウチらに歌を歌わせて、超ダサイ!! ウザイし、クリスマスやめたい!!」との声を数多く聞きました。意外に思われるかもしれませんが、ドイツを含むヨーロッパのクリスマスには日本のお盆やお正月のような「義理」の側面が強いのです。
しかしそうはいっても、家族同士でプレゼント交換をしたり、スパイスの入ったグリューワイン(あたたかい赤ワインのような味)をいただいたりと、クリスマスにはどこか「ほのぼの」とした雰囲気があります。ここもなんだか日本の「お正月」と似ていますね。
■ヨーロッパでクリスマスが「家族と過ごす」ものになっている理由は?
なぜドイツを含むヨーロッパでは「クリスマスに家族と過ごす」ことが重要視されているのかというと、クリスマスは宗教上の理由もあり「愛のイベント」だとされているからです。そしてここでいう「愛」とは「恋人同士の愛」というよりも「家族間の愛」を祝うものなのですね。もしかしたら日本にクリスマスが伝わる時に「愛」の部分が「カップル」や「恋人同士」に置き換えられてしまったのかもしれません(笑)
そんなこんなでドイツを含むヨーロッパで「クリスマス」は「家族」の要素が強いわけですが、もちろん恋人同士でプレゼントを贈りあったり、恋人を両親に紹介し、みんなで一緒にクリスマスを祝う場合もあります。けどこの場合も、基本はあくまでも【家族で】なのですね。
■ヨーロッパの「大みそか」はパーティーで大盛り上がり!
逆に、パーティ―などを企画して時には徹夜でじゃんじゃん盛り上がるのが「大みそか」です。12月31日はお酒を飲んで花火を上げ大騒ぎをしながら新年を迎えるのがヨーロッパ風。年越しの瞬間を恋人と迎えたいという人がやはり多いので、日付が変わる瞬間はシャンパングラスで乾杯しながら恋人と愛をわかちあうのでした。大みそかのハイライトである花火のドドーン、パチパチという強烈な音を聞きながら新年を迎えるという、日本的な感覚だとかなり派手な年越しの仕方といえそうです。
日本とヨーロッパを比べてみると、【クリスマス】と【お正月】がいわば逆転しているということがわかったと思います。ヨーロッパは年越しがもっとも【恋愛色】が強く、クリスマスがもっとも【家族色】が強いのでした。みなさんは、どんなクリスマスを過ごす予定ですか? なにはともあれメリー・クリスマス!
文・サンドラ・ヘフェリン
プロフィール/ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴18年。日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「ハーフといじめ問題」「バイリンガル教育について」など、「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。コミックエッセイ「『小顔』ってニホンではホメ言葉なんだ!?」(KKベストセラーズ。原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: 流水りんこ)が発売中。