1度帝王切開したら、自然分娩はできないってホント?
「帝王切開で赤ちゃんを産んだら、次の分娩も自動的に帝王切開になる」というのはよく聞く話。だけど中には、「自然分娩をしたことがある」という人も……。だけど、いきんだタイミングで傷がひらく危険性はないの? 実際のところはどうなのでしょうか。今回は、そんな帝王切開にまつわるウソ&ホントに迫りました!
■本日の「ソボクな疑問」 Q.1度帝王切開したら、自然分娩ができないってホント?
<読者の声>
・自然分娩でいきんだら、帝王切開の傷がひらいてしまいそう……。(26歳/情報・IT/事務系専門職) ・ひとり目が帝王切開だと、次も帝王切開だと聞いた。(27歳/運輸・倉庫/販売職・サービス系) ・自分の母親は、帝王切開で私を産んだが、弟は自然分娩だった。(29歳/機械・精密機器/技術職) ・帝王切開後、年月が経てば可能だと思う。(31歳/金融・証券/事務系専門職)
■尾西先生のアンサーは!?答えは…… 「ホント」です!
基本的にはできません。なぜなら、帝王切開をすると子宮の切った部分が弱くなってしまうので、分娩の際、子宮の収縮に堪えられず、そこから赤ちゃんの手や足が飛び出してしまう「子宮破裂」を起こす危険性があるからです。実際、子宮破裂まではせずとも、2人目や3人目の帝王切開でおなかを切ると、傷のある部分から赤ちゃんの頭や羊膜が透けて見えていることもよくあります。
また、子宮破裂は、妊娠中に胎児が大きくなる圧に堪えられず起こることも。妊娠30週を超えてくると、緊急で運ばれてくる方もいます。ですから、帝王切開の場合は、出産予定日より早く、妊娠37~38週で行うことがほとんどです。
そして、帝王切開をした部分は手術すればするほど薄くなっていくので、より子宮破裂の危険性は高まります。さらにおなかも、一回切ると腸などと癒着してしまい、次回の手術が行いにくくなることもあります。そういった理由で、帝王切開での出産は3人までと決まっています。ですから、3人目を出産した方については、これ以上妊娠しないように、事前に同意を得て、手術のときに一緒に卵管をくくってしまうこともあります。
ただ「自分の母親は、帝王切開で私を産んだが、弟は自然分娩だった」というコメントにあるとおり、たしかに、帝王切開後に自然分娩をするケースはゼロではないのです。「TOLAC(トーラック)」といって、自然分娩にチャレンジさせてくれる病院もあります。それが可能なのは、分娩室の隣に手術室があるなど、かなりの緊急時に対応できる施設に限られています。
ちなみに、おなかの傷に関しては、いきんだときに傷口がひらくということは基本的にありまんので、ご安心を。ひとり目は帝王切開だったけれど子どもは4人以上ほしいなど、どうしても自然分娩をしたい場合は、リスクを踏まえた上で、出産方法を考えてみてください。
(監修:尾西芳子、取材・文:ヨダヒロコ、撮影:masaco)
※次回の更新は12月31日(土)です。お楽しみに!