「大塚先儒墓所」という文京区大塚に非常に珍しい江戸時代の墓地が存在する (2/2ページ)

心に残る家族葬

しかし、江戸時代の「儒教式の墓」の形状は、中世日本の「土饅頭」墓と共通の、「土饅頭」という俗称で呼ばれるが、その様式を踏襲したものなのかどうかは、わかってはいない。

■最後に…

ただ、「儒教の祖孔子の活躍した時代である古代中国の墓を、本で読んで知ったイメージだけで勝手に想像し、再現したもの」である可能性も、ないとはいえない。パオロ・マッツァリーノ氏によれば、1904年に漢学者「松平破天荒」が、読売新聞上で、清朝中国に行って孔子の墓(とされている史跡)を見た時のことを書いているという。そこで松平が報告した孔子の墓も、「土饅頭」の形状であったそうだ。

これは明治期の報告なので、江戸時代の人々が参考にできるわけがない。しかし、例えば有名な「孟母三遷」の故事なども含め、前近代日本の教養人の間で「常識」であった漢籍には、墓や葬儀に関する描写が幾つか出てくる。こうした、断片的に描かれた古代中国の葬儀や墓の描写から、「土饅頭」タイプの墓を想像し、自分なりに「再現」したものである可能性も、皆無ではなさそうだ。

参考文献:古墳とはなにか 認知考古学からみる古代、 民衆生活の日本史・火、 東京街角お地蔵・稲荷・石塔めぐり 散策地図付き、 エラい人にはウソがある 論語好きの孔子知らず

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