地域で異なる「人の死」に関連した様々な言い回しや独特な表現とその共通点 (2/2ページ)
ただ、野菜で作られた動物に乗って移動するとされる点を除けば、普段は行けない繁華街で買い物を楽しむという、生者と変わらない行動を取るとされている。
一方西日本の例でも、死者が広島に行って買うとされる品物は、煙草であったり綿であったり茶であったりと、生者と変わらないものである。
また、戦前の宮崎県の一部では、納棺の際に死者に持たせる袋の中に、一厘銭7枚を入れる習慣があった。これはいわゆる「三途の川の渡し賃」であるとされたが、この世に戻った時に、飴を買って食べるためだとされる場合もあったという。ここでも、死者は生きた人間と変わらない買い物をするとされている。
このように、死者が生者とまるで変わらない買い物をする、という信仰は、東西を問わず日本の幾つかの地域に存在する。この「死者と買い物」の関係については、今後の詳しい研究が待たれるが、沖縄で報告された例では、死者が買い物をするとされた例は、筆者の知る限りではないようだ。
参考文献:「お墓」の誕生 死者祭祀の民俗誌、 葬送習俗事典 葬儀の民俗学手帳、 中山太郎土俗学エッセイ集成 タブーに挑む民俗学