金正恩氏も激怒必至…北朝鮮庶民の体制批判ジョーク (2/2ページ)

デイリーNKジャパン

受け取った家族は、それを生活費に回すだけでなく、商売の元手にもする。脱北者からの送金は、北朝鮮で「草の根資本主義」が育つ上でカンフル剤にもなってきたわけだ。

さらに、脱北者に対しては「志願軍」という表現も使われる。朝鮮戦争で北朝鮮に加勢した中国人民解放軍が「中国人民志願軍」を名乗ったことに由来するものだ。朝鮮戦争への中国の参戦は、北朝鮮を追い詰めつつあった国連軍(米軍)を38度線以南に押し返すなど、戦況に大きな影響を与えた。いま脱北者が「志願軍」と呼ばれるのは、彼らの送金額が北朝鮮経済において、無視できないレベルに達したことを意味している。

北朝鮮では、過去には日本や中国に親戚を持つ人々がうらやましがられた。しかし、日本や中国からの送金が細った今、脱北者を持つ家族が羨望の的となっている。「白頭の血統」をもじって「漢拏の血統」という言葉も現れた。地方幹部の中には、「目立たぬように、静かに暮せばいい」と脱北者家族を擁護し、その代わりに経済的に困ったことがあれば助けを求めるという共生関係を築いているケースもある。

こうした世相を反映してか、ある親は仕事もせずに遊んでいる息子や娘を、「ブラブラしていないで、脱北でもしたらどうなんだ」という意味を込めて「情けないやつ!」と叱っているという。

北朝鮮当局が、いくら金正恩氏の偶像化と神格化を進めようと、そんな思想は現実生活を最優先する庶民にとっては無用の長物だ。むしろ、偶像化を進めれば進めるほど、庶民らはそれに反発する。そして、金正恩氏のネガティブ情報に接して密かに喜びながら、その情報を拡散させるのだ。

「金正恩氏も激怒必至…北朝鮮庶民の体制批判ジョーク」のページです。デイリーニュースオンラインは、高英起デイリーNKロシアニュース経済海外などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る