「自分にできること」を活かして起業。夢をかなえた元ソニー社員の話 (2/2ページ)
ここで注目したいのは、MBAの取得前後で、彼のなかにどのような「変化」や「手ごたえ」が生まれていったかという点だ。
小室さんいわく、創業のビジネスアイデアを選定するにあたって決定的に重要なのは、「自己実現の目的を明らかにする」「自分の強みを活かす」「市場が求めているものを探し出す」という3つのプロセス。
そして彼の場合、特に最初の二点において、MBAを学んだことが功を奏した。
まず、「自己実現の目的を明らかにする」についてだが、MBAで学ぶ経営理論とソニーでの経験を融合させていくうち、小室さんのなかで、「地元である北海道の経済に貢献したい」という起業の目的がクリアになっていった。
実地経験と理論との両方を兼ね備えたスキルを活用することで、次世代の営業マンを育てたり、地元企業の活性化サポートができることに気づいていったわけだ。
また、もうひとつ大きかったのは、「自分の強みを活かす」についても、MBAでの学びが機能したこと。
小室さん自身、「ソニーで実践したマーケティングはフィリップ・コトラーのマーケティング理論そのものだ! と授業中にスーッと腑に落ちた」と振り返っているように、理論を学ぶことが、自分がどんな強みを持っているのかの棚卸し作業につながった。
これら一連のプロセスが最終的に、失敗しない事業づくりへとつながっていったのだ。
本書では、起業計画期、事業計画立案期、事業創業期、事業成長期と順を追って、小室さん自身が経験してきたことが惜しみなく公開されている。
そろそろ「第二の人生」を考え始めているビジネスパーソンはもちろん、手堅く起業したい人にとっても参考になる内容の多い一冊といえるだろう。
(新刊JP編集部)
※日本政策金融公庫総合研究所『シニア起業家の開業~2012年度「新規開業実態調査」から』より引用