迫られる継続・撤退の選択 “24時間営業”を巡る飲食業界の苦悩 (2/2ページ)

週刊実話


 ゼンショーHDが運営する牛丼チェーン『すき家』では、全国で4万人超のパート・アルバイトが働いているが人材を確保できず、1964店舗中、24時間を再開できない店舗は約130店舗あるという。それでも、テナントの都合で24時間対応をできない店舗を省いても、1730店舗が24時間営業を死守している。
 「人件費も高騰する中、人材確保は大変です。しかし、ほかの飲食店はいざ知らず、我々は日本の食のインフラを支えているという自負があります。24時間対応できずに灯りが消えたときは、多くのお客様から『早く再開して欲しい』という強い要望もありました。そのため現状では、基本的に24時間営業を変えるつもりはありません」(関係者)

 対し、同じ牛丼チェーンの『吉野家』も現状派か。
 広報担当者の話。
 「最新数値で国内は1207店舗。うち、時間限定が581店舗、24時間営業が626店舗です。24時間店が増減しているかは不明です」
 『吉野家』の場合は客需要が減少し、深夜営業を取りやめる店舗もあるなど、時代の流れで形態は臨機応変に変わるという。成田空港店ではLCCの利用者が多く、深夜早朝時間帯の客が増えているため、昨年24時間店舗として新規オープンさせている。

 このように見直し機運が高まる中、24時間で急成長する飲食企業もある。
 「居酒屋チェーン店には、24時間営業の店がたくさんあります。従業員の確保には苦労しているが、負担にならない工夫をこらしている。また、昼食に居酒屋の利益をカバーするほどの人気メニューを作ったり、午後から夕方の時間帯はシルバー世代が“ちょい飲み”をしやすい価格帯にもしている。24時間を有効に使い分け、売り上げを伸ばしている企業も多い」(飲食業界専門誌記者)

 立ち食い蕎麦業界でも、東京都内を中心に116店舗を展開する『名代富士そば』(ダイタングループ)は、24時間営業を押し進める。
 「一方で、24時間営業+さらなる味で勝負をかける新興勢力も生まれています。ライトスタッフが運営する立ち食いそば・天丼店『いわもとQ』は、都内新宿歌舞伎町や池袋など繁華街を中心に展開。まだ4店舗ですが、客の評判は上々。蕎麦は店が混んでも一度に4食分ずつしか茹でず、天ぷらも注文を受けてから揚げるなどを徹底し、価格もワンコインを中心にリーズナブルですからね」(フードライター)

 それぞれの舵取りは、今後、吉と出るか凶と出るか。
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