金正男殺害の謎…金正恩「暗殺王朝」血の憎悪!(1)必ず処理しなければならない (2/2ページ)
韓国国情院では、5年前から北朝鮮が正男氏の殺害を計画していたと発表。北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)委員長(33)の政権発足時から「スタンディング・オーダー(必ず処理しなければならない命令)」だったという。
事実、12年に正男氏が北京に滞在していた時、北朝鮮の工作員と見られる者に襲撃されている。命の危険を感じた正男氏は、
〈私と家族に対する懲罰の命令を撤回してほしい。私たちは行く場所も逃げる場所もない。逃亡する道は自殺だけだ〉
と命請いの手紙を正恩氏に送っていた。しかし「命令」が覆ることはなく、5年越しの執念が達成された形だ。
犯行には、猛毒「VX」使用の可能性が報じられている。韓国では実行犯は、スパイ養成所で訓練を受けた「牡丹の花小隊」のメンバーだと指摘する声が強い。「活中論 巨大化&混迷化の中国と日本のチャンス」(講談社)の著者でアジア情勢に詳しいジャーナリストの近藤大介氏はこう語る。
「今までにないパターンです。これまで報じられた毒殺の方法は、旧ソ連・旧東ドイツのやり方で、『北朝鮮の』工作員が教育を受ける方法。情報漏れを防ぐため、北朝鮮人は北朝鮮人しか信用しません。容疑者のパスポートが偽造ではなく本当に外国人に実行させていたとしたら驚きです」
この日に強行した理由は、2月16日が故金正日総書記の生誕記念日に当たるからだという。75周年の今年は北朝鮮が大事にする「5年ごとの節目」だった。
「生誕記念日までに間に合わせなければ、意味がなかった。殺害は軍の警察当局から正恩氏への“プレゼント”の意味があります。そのご褒美に勲章のメダルやマンションを与えられます」(前出・近藤氏)
まさに「父の誕生日に兄の首を捧げる」ことが達成された形だが、その真相は錯綜したままである。