金正恩氏が「やりたい放題」できる本当の理由 (2/2ページ)

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ここで認識しておくべきなのは、われわれが暮らす民主主義国家と、北朝鮮のような独裁国家の違いである。韓国に戦術核兵器を配備しよう、などという計画が動き出したら、多くの人々が激しく反発し、大規模なデモで社会が騒然とするかもしれない。

方や、金正恩党委員長が「より強力な核兵器で対抗しよう」と主張しても、北朝鮮国内では反発も起きなければデモも起きない。そんなことをすれば、秘密警察や軍に殺されるか政治犯収容所で虐待を受けるかのどちらかだ。

独裁国家は民主主義国家と異なり、国民の合意など必要とせず独裁者のトップダウンで動くから、より極端な行動に出るのが容易なのである。ということは、破滅的な「核の先制パンチ」を繰り出すのも、独裁国家である可能性が高くなる。

冒頭で触れたニューヨークタイムズの記事によれば、米国のオバマ前政権はサイバー攻撃を駆使し、北朝鮮の弾道ミサイルを無能力化する取り組みに途中まで成功したという。しかし、結果的には失敗した。外科的な方法で北朝鮮の核・ミサイル開発を挫く余地は、ほとんどなくなっているのだ。

残された方法は、北朝鮮の体制を変更するということだ。それも内部からの変化によってである。そのように言うことができるのは、文字通り命がけで外国の情報と接しつつ、北朝鮮国民がその内面で起こしている自由への意識の変化が、近年の北朝鮮情勢における(我々の側にとっての)唯一肯定的な変化だからだ。

そのために、関係各国にできることはたくさんある。たとえば、中国当局が北朝鮮に協力し、脱北者を強制送還するのを止めさせることだ。

それをするだけで、北朝鮮国民と外部世界との接点が増えて、北朝鮮国内の変化を誘う余地も大きくなる。

もちろん、北朝鮮国内に変化を起こすのは大変な取り組みだ。時間も予算もかかる。しかし日米韓などの主要国は、現実的に言って金正恩体制と戦争も出来ず取引も出来ない状況にある。ならば国内の変化の誘発はいずれやるべきことなのだから、どうせなら今すぐ始めた方が良いだろう。

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