西岡がマスターズで初の4回戦進出、驚異の粘りでベルディヒ倒す [BNPパリバ・オープン] (2/2ページ)
ベルディヒの渾身の強打がライン際に入れば対処しようがなかったが、どんなに激しく振り回されてもとにかく返すのだという執念は無駄ではなかった。普通よりもよく飛ぶという使用球のせいかイージーなミスが増えていたベルディヒにとって、それは大きなプレッシャーだっただろう。
第10ゲームではバックハンドのミスとダブルフォールト2つをもらって西岡にトリプルのブレークバックチャンス。3つ目でついにブレークを果たして5-5に追いついた。疲れているはずの西岡に、どこからか力が湧いてくるのが見えるようだった。
タイブレークはシーソーゲームで5-5まで進んだが、ベルディヒがこの試合5度目のダブルフォールトをおかし、西岡にセットポイントが訪れる。最後はベルディヒのフォアがベースラインを越え、西岡がセットをものにした。
最終セット、第1ゲームをいきなりブレークした西岡はすぐにブレークバックを許すが、第3ゲームでふたたびブレークに成功。第7、第9ゲームのブレークチャンスはものにできなかったが、自分のサービスをすべてキープし、最後はこの日2本目のエースをセンターラインの上へ。
身長171cmの西岡のサービスに驚異的なスピードはない。しかし196cmのベルディヒの構えの逆をついたサービスエースは、この番狂わせを象徴するような締めくくりだったかもしれない。
高田充コーチ、馬木純也トレーナーのもとへ駆け寄って歓喜を分かち合ったが、タオルで顔を覆って号泣する馬木トレーナーの姿は、西岡の体が今どれほどたいへんな状況かを物語っていたのではないだろうか。
「僕の体のことをよくわかってくれているので、リカバリーの面ですごく助けてもらっている」と西岡。高田コーチについては「ツアーを回り出してからずっといっしょなので、的確に指摘やアドバイスをしてくれるし、言いたいことも言える関係」と信頼を寄せている。
「徐々に自分のチームが形成されつつあるのを感じています」
その安心感は「自信を持ってプレーできている」という今の西岡の支えだろう。プラス、上位選手との対戦が増えて生じた意識の変化だ。
「経験することじゃなくて、勝つことを考えられるようになった」。
4回戦は第3シードのスタン・ワウリンカ(スイス)への挑戦だ。勝利を信じるためには、リカバリーが最大のカギになる。
(テニスマガジン/ライター◎山口奈緒美)