同期とおなじ舞台へ。キヤノン嶋田直人、NDSで開花を目指す。 (2/2ページ)
テニスボールに悪戦苦闘するうち、笑顔が弾けた。
立命館大学の4年生だった2013年、同期でキャプテンのHO庭井祐輔、LO宇佐美和彦らと共に関西大学Aリーグを制した。“立命”にとって12年ぶり3回目の関西王者だった。その年のチームを牽引した強力FWのなかで、先発出場を続けた4年生は、HO庭井、LO宇佐美、NO8嶋田の3人。
その3人は大学卒業後、そろってキヤノンへ進んだ。
同期の絆を深めながら研鑽を積む日々のなかで、しかし明暗も生まれていった。
LO宇佐美は2015年に日本代表デビュー。サンウルブズへは今年、2年連続のスコッド入り。そしてHO庭井も今年、2年目を迎えたサンウルブズに招集され、3月11日のチーターズ(南アフリカ)戦でスーパーラグビーデビューを飾った。伏見工業で同期だったSH内田啓介(パナソニック)も同じ舞台で戦っている。
同期たちの活躍にFL嶋田は、「一緒にプレーしていたのに、あんなところへ行ってすごいなという思いもあります」。そう言って屈託のない笑顔をのぞかせるが、一方でプロアスリートとしての想いは募る。
「(同期が代表などに)選ばれて嬉しい気持ちもありますが、自分もそのなかに入っていきたいという気持ちもあります」
2016年のトップリーグでは、キヤノンの一員として全15戦に先発出場、豊富な運動量で献身した。そんな仕事ぶりを見てくれていた人がいて、評価してくれた人がいる。
そして年代別の代表歴のなかったひたむきな“チームマン”に、招集の電話は掛かってきた。
「(ラグビーは)中学校からやっていますが、高校日本代表も入っていませんし、U20代表も入っていません。こういう場は、本当に初めてです。今回このようなキャンプに呼んで頂いて、良いチャンスをもらいました。チャンスをモノにしたいと思います」
今回の招集に際して、高校・大学・社会人の仲間から多くの激励をもらった。ラグビーを続けてきたことの証なら、すでに溢れるほど持っている。
4月22日に韓国で開幕する「アジアラグビーチャンピオンシップ2017」のメンバーは、全4回の今キャンプから選抜される予定だ。その先に6月のルーマニア代表、アイルランド代表とのテストマッチが待つ。
桜の咲く季節が近づいている。NDSキャンプで経験を積み、笑顔の25歳はさらなる飛躍、開花を目指す。
(文/多羅正崇)