ソーシャルゲームで再び吹き荒れる”返金仮処分”とその実情|やまもといちろうコラム (2/2ページ)
■ソシャゲバブルの行く末は
いま話題となっているのが集団訴訟に発展しそうな1000万円クラスの訴訟の内容がそのまま通ると、いわゆる不実記載によるガチャ煽りとされる商法のかなりの割合が引っかかって返金相当と裁判所が判断するであろうという内容が見え隠れしている点です。もちろん、一部返金といっても伝え聞く限り最も高率な返金割合でもせいぜい25%程度だとされていますが(一番一般的なのは10%から15%程度だそう)、それでも本当に炎上して集団訴訟上等の世の中になると億単位の返金を強いられるケースも今後は出てくるかもしれませんから油断はできません。
また、大手タイトルでも資金決済法上の預託金や保険を組むことなくゲームを提供しているという告発が出たり、そろそろまたソーシャルゲーム全般に対する業界の自浄作用が働いていないのではないかという風聞が出始める時期でもあります。真面目に取り組んでいるソーシャルゲーム会社も多い中で、儲かれば何をしてもよいと思っている会社も一部にはあるようで、そういったサービスが繰り返し優良誤認を強いるようなガチャ広告でプレイヤーを煽っている背景については気にしておいてしかるべきではないかと思うわけです。
隣の中国でさえ、ガチャから出るアイテム類やキャラクターの排出割合を明示する仕組みができて、守らない業者がサービス停止に追い込まれるという事態が発生しているにもかかわらず、日本は意外とそのあたりは業者寄りというか穏便に話を進めようとして被害が広がってしまっているという状況なのかもしれません。
射幸心を煽るという点では、ソーシャルゲームもカジノ関連やぱちんこ業界と同じく今後はいろんな規制がかかってくる可能性はあります。本来であれば、稼いでいるところほど依存症にならないよう、また過剰な資金をユーザーから吸い上げる仕組みにならないよう率先して配慮するのが筋道として望ましいところなのですが、消費者金融しかりライブドア問題しかり儲かっているところが派手にいろんなことをやらかすため、眉をひそめられてしまうところはどうしてもあるなあと感じる次第です。
これがソシャゲバブルの終わりになるのか、あるいはこの問題を克服してさらに新しい遊びが出てくるのかは分かりませんが、何事も腹八分目、適量というものがあるような気はします。やはり、毎日朝起きてから全社員で壁に貼られた「持続可能性」という5文字を読み上げるような訓示をしたほうが各社においてはよろしいのではないでしょうか。
著者プロフィール

ブロガー/個人投資家
やまもといちろう
慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数
公式サイト/やまもといちろうBLOG(ブログ)
やまもと氏がホストを務めるオンラインサロン/デイリーニュースオンライン presents 世の中のミカタ総研