勉強や調べものに、図書館を利用する学生も多いですよね。大学や近所の図書館はさまざまなジャンルの資料を揃えていますが、全国には、マンガ収集に力を入れたり、自動車に関する図書が充実していたりと、ある特定の分野に強い専門の図書館があるんです。無料の施設も多いので、うまく活用すれば非常に助かるはず。ということで、今回はそんな、調べものに役立つ専門図書館を紹介します。

■マンガ読み放題！「広島市まんが図書館」

マンガを専門に扱う公立図書館で、実に約13万冊以上もの所蔵数を誇ります。ワンピース、ちはやふるなどの人気漫画も網羅され、ジャンプやマガジンといった週刊誌・月刊誌も最新号まで自由に閲覧できます。歴史的文献や新刊などをのぞき、ひとり10冊まで無料で貸し出し可能。さらに外国で出版されている日本のマンガや、貴重な初版本、漫画の歴史をたどれる資料なども充実。ゆったり読書できるベンチやスペースも豊富なのでお目当ての作品や名作をじっくり楽しめます。

他にも、明治大学付属の専門図書館・米沢嘉弘記念図書館（有料）、京都国際漫画ミュージアム（有料）などマンガが閲覧できる施設は全国にあるので、近場で探してみてはいかがでしょうか。

■日本最大級の雑誌図書館「都立多摩図書館」

国分寺市への移転を終え、新しくなった「都立多摩図書館」。公立図書館としては国内最大級、約1万7000冊の雑誌を所蔵し、うち6000誌については最新号とバックナンバー1年分を集めています。個人への貸し出しは行っていないものの、誰でも入館でき、館内ならば無料で読むことができます。書店で見かける雑誌はほぼ網羅されていますが、注目は雑誌の創刊号を集めた「創刊号コレクション」。明治時代の雑誌やアイドル雑誌、ファッション、IT、アニメなど、レアなお宝号に巡り合えそうですね。

■証券に強い「証券図書館」　　

証券の調査のための専門図書館。日本証券経済研究所が東京、大阪の2カ所で運営しています。東京では証券会館の3階にあり、証券はもちろん、経済、金融に特化した資料が約3万3000冊と充実。日経新聞や英字新聞、雑誌のバックナンバー、月刊誌、アナリストレポート、論文などが探せるため、専門的な調べものに最適な環境。貸し出しは証券関係の人に限られますが、証券に興味あればだれでも利用できます。大阪の証券図書館は、大阪証券取引所の裏にあります。

■車のことなら「自動車図書館」

日本自動車工業会が設置している専門の図書館で、東京都港区、自動車会館の1階にあります。自動車雑誌やメーカー各社のカタログ、機関紙、統計、海外文献など、車に関する資料を多数揃えています。図書の貸し出しはできませんが、閲覧は自由。モーターショーや安全運転のための実験、事故を記録したビデオ・DVDライブラリーも充実し、室内で視聴可能できます。これら映像資料は貸し出しを行っています。

■写真の図書館　「日本カメラ博物館JCIIライブラリー」

東京、千代田区「日本カメラ博物館」の地下1階にあるのが、写真とカメラの専門図書館「JCIIライブラリー」。貸し出しはできない閉架式ですが、約4万冊の資料を所蔵し、無料で閲覧可能。写真集はもちろん、撮影技術、社史、年刊まで充実。創刊号から全巻揃った「アサヒカメラ」など雑誌の新刊も多数あります。博物館では、歴史に残るカメラの名機が展示されていたり、特別展の開催もあったりして資料探し以外でも楽しめます。

専門図書館は他にも、海外絵本、広告、江戸文化、果樹研究などさまざまなジャンルがあります。気になる分野があれば、どんな施設があるか調べていてはいかがでしょうか？

文：サクマ香奈