葬儀のマナーや常識がその地域や国で異なるという事を忘れてはならないが… (2/2ページ)
■マナー違反ではあるかもしれないが、本当に重要な事はなんだろうか。
文化の違いと言えばそれまでだ。しかし元女優として多くの人目にさらされ、さらに異国の王室に嫁いだグレースのプレッシャーを想像すると、花束を持つ手も震えそうになる。しかも手渡した花は「非常識」と捨てられるのだ。このエピソードを思い出すとき、マナーとは一体誰のためにあるのかを考えてしまう。
王室のように特別な環境でなくとも、つい花束の中身やくれた相手を値踏みしたり、花を手向ける死者のことを忘れてしまったりする。本当に必要なものは何だろうか。現在、モナコにあるグレースの墓には彼女のために作られた薔薇も供えられている。「プリンセス・ド・モナコ」、白地にピンクの縁取りが上品な大輪の花だ。香りは少ない品種というが、そういえば香りが記憶を呼び覚ます効果は万国共通のものだ。薔薇の香り、南国に咲くフランジパニの甘い香り、線香やお堂の匂い。深呼吸して色々なことを尋ねてみたいと思う。