梅毒感染が過去最速のペース…母子感染による胎児への危険性とは
2017年4月4日(火)国立感染症研究所は2017年の
梅毒感染者が3月26日までに1,013人に上り、過去最速ペースであることを発表しました。(
参考)
性感染症である梅毒は、母子感染のリスクもあり、赤ちゃんに悪影響を与える危険性があるので
妊娠を考えている方、妊娠中の方は注意が必要です。
今回は妊婦さんが梅毒に感染していると危険な理由、梅毒の検査、治療内容、感染予防方法などを医師に解説していただきました。
梅毒に感染する原因

■ 性行為により梅毒の細菌がいる部位と粘膜、皮膚が直接触れる
■ オーラルセックスやキス
■ 輸血、血液製剤、針刺し事故などにより感染者の血液が体内に入る
梅毒によって起こる段階別症状

感染後3~6週間程の潜伏期経て、段階を踏んで様々な症状が起こります。
■ 発症時期
感染後3週間~3カ月程
■ 症状
梅毒トレポネーマが入り込んだ部位に、硬性下疳と呼ばれる痛みのない硬いしこりを生じた後、潰瘍ができ、鼠径のリンパ節が腫れます。
第二期
■ 発症時期
第一期の症状が消えてから4~10週間後
■ 症状
・体中のリンパ節の腫れ
・ 発熱
・バラ疹と呼ばれる 発疹が全身に出る
・関節の痛み
・全身の だるさ
血行性に全身に菌が及ぶことによって、皮膚に変化が現れたり、発熱・全身倦怠感が出ます。
梅毒による皮膚病変は千差万別で診断が難しいですが、手のひら、足の裏、口、陰部に出ることが多いです。
特に、性器にできる直径1cmくらいの、分泌物を出す扁平コンジローマという病変が特徴的です。
第三期
■ 発症時期
第二期を過ぎ、潜伏期を経て数年から数十年で第三期に進行する
■ 症状
皮膚や骨などゴム腫と呼ばれるしこりが現れます。
しかし、第三期は現代ではほとんど見られません。
第四期
■ 発症時期
感染してから10年以上たった状態
■ 症状
大動脈や脊髄に症状が現れ、全身に腫瘍が出たり、神経症状、脳梅毒などの状態になったりして死亡することがあります。
第三期と同様に、第四期もほとんど見られません。 梅毒によって胎児に引き起こる危険性

先天性梅毒
梅毒は胎盤を通して胎児に感染し、先天性梅毒によって胎児に様々な症状が現われます。
■ 症状
・骨や軟骨の炎症
・皮膚に多様なできもの
・学童期以降に目の角膜の病変、 難聴、歯の変化が起こる場合もある
上記のような症状が現われる場合がありますが、半数は無症状と言われています。
妊娠早期に発見し治療をすれば、発症を予防することができますので検査は必須です。
妊娠中の梅毒検査と治療

検査内容
妊娠初期に妊婦全員に対し血液検査が行われます。
母子手帳に付属している補助券を使用することができます。
治療内容
抗生物質の内服や点滴を行います。梅毒菌が破壊されるために発熱、皮膚病変・リンパ節の腫れの悪化が現れることがありますが、薬が効いている証拠ですので、治療を中止しないでください。
近年では、梅毒陽性の場合もペニシリンで治療すれば98.2%の先天梅毒が予防できると言われています。
妊娠中期に、超音波検査(エコー)で胎児の肝腫大、腹水、胎児水腫、胎盤が厚くなっているなどの異常がないかを確認します。
28~32週と分娩時に再度検査し、治療効果を判定します。 梅毒を疑うべき兆候

性行為後のしこり
梅毒に感染すると、小豆くらいの皮膚のしこりが性器の周辺にできます。
感染を広げ、唇、肛門、口腔内、喉など、柔らかい皮膚や粘膜性の部位にもしこりが発生します。
リンパ節の腫れ
しこりが発生したののち、性器に近い太ももの付け根の部分、リンパ節の腫れが現われます。
しかし、腫れが起こった時点では、痛みはあらわれず、この痛み自体もすぐに消えてしまうので、「検査してもらおう」とまではなりにくいです。
少しでも「変だな」と思ったら、すぐに病院を受診するようにしましょう。
梅毒感染を予防する対策

コンドームを使用する
感染症予防にはコンドームが有効とされますが、コンドームで覆われていない部分にも梅毒菌がいることがあり、完全に防ぐことはできません。
オーラルセックスを控える
オーラルセックスも梅毒感染経路となりますので、粘膜感染の可能性を減らすため控えるようにしましょう。
また、口から口への感染も確認されております。
性的接触を控える
体調が悪かったり、パートナーに皮膚や性器にできものがあった場合は性的接触をしないようにします。
検査を受ける
気になる症状があるときは早めに検査を受け、早期治療することが重要です。
また、お互いの安全を守るためにもぜひ、1度パートナーと2人で検査を受けておくべきです。
心配な場合は性的接触から4週間を過ぎたら、病院や保健所などで検査を受けるとよいでしょう。
最後に医師から一言

梅毒が陽性であった場合、 HIV、 淋菌、 クラミジア、 ヘルペスなど他の性感染症も同時に感染していることがありますので、検査と治療を受けることが必要です。
(監修:Doctors Me 医師)