紳士服業界 他業種拡大の生き残り策 (2/2ページ)
またフィットネスクラブなどにも分野を広げ、非スーツ化のシェアを着実に4割近くまで上げてきています」(同)
コナカは、'98年5月に子会社コナカエンタープライズを立ち上げ、同年10月からフランチャイズチェーン展開を始め非スーツ化に取り組んできた。から揚げ専門店『からやま』や、かつ専門店『かつや』、『大衆食堂 半田屋』、それにインターネットカフェ、漫画喫茶の『自遊空間』、英語の学童保育園『KIDs Duo』などを出店する。
コナカ広報担当者によれば、今後、同社は『かつや』などの飲食店を年間2、3店舗ずつ増やす予定だという。それにしても、様々な多角化の中でなぜ飲食業に力を入れるのか。
前出の経営コンサルタントが言う。
「民間会社による調査では、特にかつ丼市場や焼き肉市場は、3年後の東京五輪までにまだ15%前後は伸びるという報告があるからです。ラーメン店や他の飲食業と比較すると、とんかつ、から揚げ市場は、まだあまり競合が少なく、場所や地域ではまだ二桁の伸びが期待できるといいます」
それに加えて、出店でのコストが抑えられるという特典もあるという。
コナカ広報担当は、そのあたりをこう回答する。
「郊外型店舗の駐車場、土地の有効活用とシナジー効果(相乗効果)をはかれます」
先の経営コンサルタントも、こう解説を加える。
「既存の紳士服店はたいてい大きめの駐車場を持っている。その紳士服店舗の横に飲食店を出店すれば、駐車場を有効利用できることと、飲食店、紳士服のどちらかに来店した客がどちらにも寄るという相乗効果も期待できるためです。さらに、FC展開であれば共通マニュアルを基にするため、他業種でも運営しやすいというのもあります」
しかし、紳士服大手各社が、スーツ以外の業種に進出すれば必ず成功するという保証はどこにもない。実際、過去には非スーツ業種に進出して、すでに撤退している例もある。しかし、手をこまねいてはいられない状況なのだ。
「大手紳士服業界も人口減の中で、スーツ1本に頼っていてはジリ貧になるのは火を見るより明らか。こうした中で、スーツ5割、他業種5割で運営するのが、サバイバルのカギというのです」(同)
紳士服業界で10年先、生き残っているのは果たしてどこなのか。