江戸時代グルメ雑学(2)落語「時そば」に出てくる"花巻、しっぽく"ってどんなものなの? (2/2ページ)
この花巻は安永年間(1772~81)に登場したメニューで、江戸前の浅草海苔を焼いて蕎麦の上に乗せ、ネギや蒲鉾も入れずにワサビのみを風味付けに使った、ごくシンプルながらも食材の持ち味を生かしたものです。こうした奥深さと洒落の利いた名前とが、粋を好んだ江戸っ子に愛されたのは、想像に難くありません。
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和洋中を兼ねた料理が江戸では蕎麦にしっぽく蕎麦は“卓袱蕎麦”とも書き、長崎で供された宴会料理に由来しています。出島のある長崎は、オランダから西洋料理、清から中華料理を取り入れて、それらの料理と和食を組み合わせたのが卓袱料理です。
そうした卓袱料理の一種に、うどんやそうめんの上に魚貝類や野菜を盛った、ちゃんぽんに似た料理がありました。それを参考にしたのが、蒲鉾と湯葉、野菜をうどんに乗せた“しっぽくうどん”です。そのしっぽくうどんが、延享(1744~48年)から寛延年間(1748~1751)の江戸で、うどんが蕎麦になってしっぽく蕎麦として人気を博しました。
如何でしょうか?落語“時そば”は、予備知識なしでも楽しめる作品ですが、その話に登場する蕎麦がどんなものか、如何なる背景で成立したものだったのかをあらかじめ知っておけば、思い浮かべるのも容易になります。皆さんが“時そば”を観賞される時の助けに、或いは江戸時代のグルメに興味を持つ一助ともなれば幸いです。
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