皮膚科医に聞く! 「ほくろ」と「癌」の見分け方
誰しも必ず体のどこかにある「ほくろ」。人によって数も大きさも色も形も違うため、ほくろのよしあしはわからないですよね。ただ、「ほくろだと思っていたら、癌だった!」ということだけは避けたいもの。そこで今回は、ほくろと癌の見分け方を、皮膚科医の宇井千穂先生に解説していただきました。
■ほくろができる原因そもそも「ほくろ」とは何なのか? 物心ついたころからあったり、気がついたら増えていたり……。知っているようで知らない「ほくろ」にまつわる素朴な疑問に迫ります。
◇ほくろって何? ほくろができる原因とはほくろとは母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうはん)とも呼ばれ、メラニン色素が集まることによってできる良性の皮膚病変です。
ほくろには、先天性のものと後天性のものがあります。先天性のものは出生前やその直後に発症し、身体の成長につれて徐々に大きくなることが多いです。遺伝性も認められ、ほくろが多い親だと、子どもも多くなることがあります。後天性のものは、出生後、紫外線や外傷などの外的刺激、乾燥などが原因となって発生します。
◇ほくろが癌になることはある?多くのほくろは良性です。良性のほくろが、悪性の癌になることはほとんどありません。もし癌だと診断された場合は、もともと癌だったものを、ほくろだと思い違いしていたということ。ほくろと癌は色や形が似ているものがあるため、注意が必要なのです。
■ほくろと癌の見分け方ほくろの癌とは一体どのようなものなのでしょうか? ほくろと癌を見分ける方法、受診したほうがいい場合についてお伝えします。
◇ほくろの癌の特徴は? ほくろと癌の見分け方色や形などの視診により、以下の5つのどれかに該当する場合は、癌の疑いがあると考えられます。
(1)左右対称でない
(2)皮膚との境界があいまい
(3)色調が均一でなく黒色に紫や茶などの色ムラがある
(4)長径が6mm以上ある
(5)短期間で急に大きくなったり、色や形の変化、患部からの出血や滲出(しんしゅつ)液が出る
これらに加え、年齢や経過の長さ、外傷や潰瘍の有無、硬さなどを考慮して、総合的に判断します。特に接触部分が多い手のひらや足の裏、紫外線の影響を受けやすい顔は注意が必要です。
癌の疑いがあると判断した場合は、ほくろとその周辺を切除し、顕微鏡で確認を行う皮膚生検が行われます。癌の種類や段階によっては、ほくろととてもよく似ていて、見分けがしにくいものもあります。素人判断は大変危険ですので、気になる場合は皮膚科を受診することをオススメします。
◇ほくろの癌があるときの症状は?転移していない限り、特に症状は見られません。ほくろから癌が転移してしまった場合は、転移場所によってさまざまな症状が現れます。
■まとめほくろは、チャームポイントでもあります。ほとんどのほくろは良性なので、過度に心配する必要はありません。ただ気になる変化があった場合は、自己判断せずに早めに皮膚科を受診しましょう。
(監修:宇井千穂、文:伊藤康江)